アイアンマンチャイナ2010レポート

-----道堂鎮(ダオタンジェン)の加油(ジアヨウ)-----

                   槇本 深 (ふうさん)

プロローグ

  海南島は中国最南端の島。

 ベトナムの東に位置する九州くらいの大きな島。

日本の感覚では島ではない。高速道路も走っており、新幹線も建設中の大きな島。

海南島の位置

海南島全体

北の端、海口市が今回の会場。

 

 中国随一の南国リゾート。

 アイアンマンチャイナは今年で3回目。

 過去2回は大成功とはいえない大会であった。

 第1回は、海のスイム。

 ブイが見えにくく迷走した人が多かった。

 第2回は川のスイム。

 前日の雨で増水し、流れが急で泳ぎきれなかった人が多かった。

 2回とも雨や台風の直後でフェーン現象というのだろうか、特別な猛暑になった。 40度くらいになったらしい。ものすごい苛酷なサバイバルレースとなった。
高齢者や女性では全滅のカテゴリーも結構あり、その分若い人にロールダウンが配分された。

若い人にはロールダウンが多く、高齢者には完走さえすれば一人中1位でハワイスロットが取れるかも?などという考えがわきあがる。
まるで誘蛾灯のように怪しく輝く、ハイリスクハイリターンの妖しい魅力を放つ大会である。参加者364名なのに1000名以上参加する大会と同等のハワイスロット50を持つ。

 

 今年は大会日程が一ヶ月繰り上がった。

 天候の安定と猛暑を避けるためとの事。

 スイムコースも変わった。

 最初片道ワンウェイの川下りが発表された。これは面白いと思った。
スイムの苦手なマッキーには、タイムオーバーの心配が無くて良い。決めた。そこで年末に休暇申請を出しておいた。

その後、スイムコースはまた変更になり、Y字型の4周回コースとなった。川の流れがよどんでいるところを巧妙に選び設計したとの事。
川の流れに逆らって泳ぐ部分をとても心配し、メールで問い合わせた。岸の地形と、橋げた、岩礁の位置などの作用で、強い流れがこないようレイアウトしたとの返答が来た。
詳しくはわからないが休暇届けも出してしまったし出てみるべし。ということになった。

 

アイアンマンチャイナ関連施設位置。

@    今回の大会本部がおかれた宿泊ホテル海南皇冠ホテル。

A    スイムコース、トランジッションエリア

B    ゴール地点

C    市中のオフィシャルホテル明光ホテル

 

 

 旅行会社のツアーは、成田と名古屋発のツアー。北海道発のツアーはない。

 そこで今回は全部自分で手配してみた。初めての個人旅行。

 函館からJRで千歳へ、上海へ飛んで、乗り換えて海南島へ。

 ホテルは大会本部が置かれたホテルにした。日本からのツアーもここにするとの事で決めた。
現地ではグッドウィルツアーの仲間に加えていただき、寂しい思いをすることなくすごせました。グッドウィルツアーに感謝します。

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出発

310日水曜日            旅程

函館      南千歳

8:30      11:18    スーパー北斗3号

南千歳  千歳空港

11:28    11:31    エアーポート106

11:43    11:46    エアーポート110

千歳      浦東

13:20    15:55    MU280 共同便:JL5285

浦東      海口

20:45    23:50    CZ6766

 ふうさんは当直明けで、仕事場より出発。マッキーはすべての荷物を持って自宅より出発。突然の久しぶりの雪で道路が渋滞。
すこしマッキーをひやひやさせたが、間に合ってJRに乗る。南千歳で乗り換え、千歳空港へ。国際線乗り場で、荷物をあずけてチェックイン。
ここはいつも混んでいる。普通国際線は出発
2時間前が原則だが、1時間35分前に到着。それでも特に問題はなかった。
いつも荷物を預けるにはひやひやする。バイクケースは
2個とも20.5kgに調整。後は全部機内持ち込みを覚悟する。
千歳では追加料金なしで全部預かってもらえた。ここで時計を現地に合わせ1時間遅らせる。3時間半くらいで上海浦東空港につく。

 浦東空港に到着。すぐに両替をする。円高なのでうれしい。両替は絶対に千歳空港でしてはいけない。
手続きが煩雑で、ものすごく待たされて、手数料がべらぼうに高い。浦東空港はスピーディで手数料が安い。
しかし、入国前の荷物待ちの場所と、入国して国内線待合の場所とに両替所がある。入国後の両替のほうがわずかに手数料が安かった。
ちなみにホテルに着いたらもっと安かった。しかしその差はわずかなので、現地の空港で替えても大きな間違いではない。

 海口行きの飛行機の搭乗口を探す。千歳からの到着は第一ターミナル。海口行きは第二ターミナルだった。
バスに乗って行けといわれたのでそうしたが、荷物の上げ下ろしが大変だった。後で調べると中央に通路がある。
荷物が多いときは手押し車に乗せたまま歩いていったほうが便利と思った。帰りはそうした。

 またドキドキの荷物預け。今度は中国国内線。
バイクケースは20kgまでだが誤差の範囲だからおまけしてやる。後はだめだ。といわれ、残りの荷物は全部機内持込となった。
空港のレストランで食事。意外とおいしく口にあった。

 5時間近くの待ち時間だが、広い空港の別のターミナルに移動したり、荷物を預けて、重量オーバーの規定がどうのこうのとか、食事とかいつもはガイドさんがやってくれるのを全部自分でやったので、あっという間に経った。退屈するどころではなく、はらはらどきどきで、あっという間に経った。
海外旅行のトランジッションは慣れるまでは余裕を持つことという原則を守ったが正解でした。

  浦東第二ターミナルより、海口行きの最終便に搭乗。もうディープな中国国内。全く聴き取れない中国語の方言が飛び交う。3時間で海口着。

 もう夜の11時30分。物騒かもしれないので、ホテルより送迎ワゴンをチャーターしておいた。
ホテルのバスで20分ほど走り、今回の宿泊、そして大会本部の置かれた海南皇冠ホテル(ハイナンホワングアン
)(CrownSpaResortHainan)に着いた。費用は500元。とても高かった。

 5つ星の最高級ホテルとの事、どんなすばらしいところだろうと期待する。着くなりデポジットを要求される。カードを出せという。現金で払うというとびっくりしていた。5千元払う。(1元=13.5円くらいです。)。宿泊代は一泊680元、6泊だから4080元。やく1000元がデポジット(押金ヤージン)として預かられたことになる。このときの領収書はしっかり持っておくこと。

 ちなみにこのホテルは予約時点でクレジットカードの番号を教えて、キャンセル不可。行かなくても契約料金が自動的に引き落とされる仕組み。
日本からの団体ツアーを組んだ旅行会社も泣いていた。そのようなたいへんタカビーなホテルであった。

 部屋に入る。意外と狭いのにがっかり。家具はヨーロッパ調のすこし古い由緒ありげなものを使っている。まあ金はかかっているのかなあ?おそいからもう寝よう。一日目終わり。

 

宿泊ホテル資料

クラウンスパリゾートハイナン

Crown Spa Resort Hainan

海南皇冠濱海温泉酒店hainan huangguan bin hai wenquan jiudian

住所:〔西海岸エリア〕瓊山大道1 qiong shan dadao

電話:0898-65966888

FAX0898-65966808

もう一つ市中に海口皇冠濱海温泉酒店というのもあって、場所も離れているし間違わないよう注意する必要がある。日本のホテル予約サイトで間違って混同しているWEBサイトもあった。

 

 

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3月11日木曜日。

朝食はバイキング。一人85元。

中華ではなく西洋料理。

味はまずまず。

大事なレースを控えた身。

勝手がわかるまではホテルの料理で無難にすごすしかない。

朝飯を済ませて、ホテル内の本部で受付。

ここでマッキーのカテゴリーの受付状況を見る。

あった、キャロルハッセルさん、すでに来ていてもう受付を済ませている。

2009年アイアンマンハワイで12時間0分、カテゴリ2位の怪物。

これはもうアカン。完走目指して楽しもうということになった。

キャロルさんの実績。すごいです。

http://www.athlinks.com/myresults/28986407/Carol-Hassell.aspx

ホテルの中庭に出ると寒い。外は曇り。

強い風が吹いている。

全く南国らしからぬ寒さ。

 

 

ホテルエントランス前で

 

ホテルビーチ前

プールと、東屋の下は露天風呂になっている。

 

朝7:00から10:00までテストスイムをやっている。

早く行って泳いでみたい。

シャトルバスでスイム会場へ。

スイムコース

Y字型のユニークなコースレイアウト

図のごとくブイに番号をつけて呼ぶこととする。

 

南渡江の西岸、橋のすぐ下流にスイム会場がある。大きな中州を過ぎたばかりで、中州と橋げたと、岩礁が流れをよどませている。

早速泳いでみた。一周950mを4周回する。

川の衛生状態は何とか許容範囲というところ。

水質調査のHPもみて、

中国の川にしてはきれいなほうだということは確認してある。

すこし海水の味もする。

河口が近く、満潮時は海水が逆流するようだ。

第一ブイまでなかなか進まない。

結構時間がかかる。

13分もかかった。

これを3倍するととても間に合わないと暗くなる。

ところが第二ブイまで流されてあっという間。

第3ブイまではまた流れに逆らうが、意外と苦労しないで到達。

後は帰路。帰路は流れに乗ってスムースに戻る。

1周27分程度で泳げた。

4倍すると1時間48分。

十分に間に合うだろう。

ようやく安堵する。

ホテルに戻る。

ここでテーブルにおいてあったミネラルウォータに68元の値札がついているのをみてびっくり。

1リットル1000円の水なんて人を馬鹿にしている。

冷蔵庫のものは絶対に手をつけないように決めた。

2−3倍なら許せるがだいたい10倍の値段。

早速街に出て買い物をしようということになった。

もう一つの街中のオフィシャルホテルは明光ホテル。

 

市中ホテルの資料

Address: HNA Grand Hotel Mingguang Haikou

No. 9, South Nanhai Road, Haikou, Hainan Province, China

地址: 海口明光海航大酒店

中国海南省海口市南海大道9

Postal code: 570216

Telephone +8689836638888

Fax +8689836633888

Websitewww.mingguanghotel.com

Emailrs@mingguanghotel.com

来年はこちらにするつもり

 

こちらは新しく、近代的な高層ビルの街中ホテル。

本部のホテルとは30分一度のシャトルバスで行き来できる。

ここのレストランに入る。

さっぱりメニューがわからないが、食べてみる。

とてもあっさりして、口にあった。

しっかりと食べる。

スーパーで買い物をしようと思い、超市(チャオシ)はどこだ?

と聞いて回る。

そこの角の向こうだと聞いていってみたらドラッグストアだった。

明光ホテルに戻り、ボーイに聞く。

どうもチャオシが通じない。コンビニエンスストアとか

スーパーマーケットとか言っても駄目。

便利店(ビエンリディエン)でようやく通じたのか方向を指してくれた。

行ってみると下町の商店街。

怪しげな鳥やカエルをさばいたものとか

見たことも無い魚や肉のぶつ切りが置いてあったりする。

その中に確かに、ミネラルウォータやジュースなどのペットボトルを

売っている店もあった。

そこでとりあえずミネラルウォータを仕入れた。

また市中の明光ホテルに戻り身振り手振りできいて、タクシーを呼んでもらう。

明光ホテルのボーイは親切でメモまで書いてくれた。

それをタクシーに見せるだけで良い。

15元くらい走って着いた。

日本の10分の1くらいの値段。

タクシーは正規料金ならとても安い。

着いた。

こぎれいな商店街。

おもに服なんかが置いてある。

食堂、レストランもある。

しかし食料品を売っている店は無い。

あきらめて宿泊ホテルに戻った。

バイクを組み立てる。

ホテルの中庭を走ってみる。

ディレイラーも快調に動く。

どうやら輸送トラブルは無かったようだ。

日本からのツアーと合流したくて

グッドウィルツアーの武藤さんと連絡をとろうとしたが

ホテルフロントはわからないと、そんな人はまだきていないと

すこし心配になる。

夜は宿泊ホテルの夕食。一人135元。

朝とほとんど同じもの。

夕方からホテルの中を見て回る。

肌寒い。

水着ではいる露天風呂にも入ってみる。

とてもぬるい。

外はともかく風が強くて寒い。

8時頃眠りにつく。

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3月12日金曜日。

もう食べ飽きた高い朝食をとる。

ここで初めて日本人に会う。

岐阜の佐藤さん。

彼はサブテン目前のつわもの。

はっきりとハワイのスロットをとりに来たのだと言い切る。

締った無駄の無いスリムな体型。

ほんとによく練習して絞りきった感じ。

いろいろとレース談義に花が咲く。

このあとつぎつぎに日本人にあったが

みな口をそろえてハワイスロットを取りに来たと語る。

ハワイは何回行きましたか?

という挨拶をする人もいる。

とにかく挨拶も、話題もハワイ一色。

中国を楽しみに来たなどというのんき者は私を除いて一人もいなかった。

みなハワイへ飢狼のような執念を持ってやってきている。

ここで、

日本のツアーも間違いなくこの海南皇冠ホテルに泊まっていることを確認して安堵。

昨日フロントに問い合わせたら団体はいないと。

日本人はまだ3部屋分しかきていない。

予約はどうだときいてもわからないとの事。

5つ星ホテルにしてはお粗末。

ひょっとしてもう一つのホテルに変わったのかと心配になっていた。

シャトルバスに乗ってスイム会場へ。

今度はマッキーと離れてそれぞれ泳いで見る。

わたしはロープ際、マッキーは岸よりに少しロープを離れて泳ぐ。

同じくらいの早さだ。

泳力の差にかかわらず並ぶという事実からみると、

岸よりの方が流れが緩やかなのだろう。

一周24分ほどで泳げた。

マッキーはもうゴールにいる。

ゴーグルが曇って見えなくなり、ショートカットしてしまったとの事。

本番でなくてよかった。

本番では曇り止め処置をやり直しておこう。

本番では岸よりにコースを取るよう作戦を立てる。

しかし、本番ではもっと岸よりにブイの位置が変わっていた。

ホテルに帰り、グッドウィルツアーの武藤さんと連絡を取る。

午後3時から下見ツアーがあるとの事。

同行させていただける事になった。

ほんとに感謝します。

ここでバイクとランコースを紹介。

バイクコース地図

南北に15km 東西に30kmくらいのコース。

南北は市中道路。東西は新しい高速道路。

折り返しは今回の大会の目玉、村落部分を通過する。

ここのシーンはドラマチックで一生忘れられないものになるでしょう。

バイクの高低図

48km地点の標高110mくらいのピーク手前の上り坂が道堂鎮ダオタンヂエン

52km地点の標高160mくらいのピーク手前のぼり坂が石山鎮シーシャンヂェン

すごい応援に押されてあっと言う間に終わります。

 

ランは変則2周回。

スタートはトランジッションエリアで、ゴールは市中の公園。

公園前1kmは古い町並みの商店街。浅草のようなイメージ。

ここもものすごい数の応援の人でいっぱいです。

 

 

出かけるのが面倒で、日本から持ち込んだカップめんを食べる。

ほんとはこういう手抜きはよくないんです。

夜は6時よりカーボパーティ。

オージーたちはカンガルーの人形を持参。

年末の西オーストラリアが懐かしかったので記念撮影。

 

ひだりはToriumiさんです。

かれは障害者(話せるが聞こえない。コミュニケーションは口唇の動きを見て話を読みとる。込み入ったことは筆談になる。)だが、アイアンマン歴戦のつわものです。
今回は残念ながらバイクの終わりでリタイアした模様。またどこかでお会いできるでしょう。

 

料理もよく、ショーなどもありとても楽しめた。

米国人と同席。

横に座った男性。

わたしと同じカテゴリ。

同年代の癖に若い嫁さん連れているなと思ったら

名前が違った。

海外はやはりいろいろと訳ありカップルも多そうです。

ビールを飲みたかったが、同席のUSAの連中は全く飲んでいない。

そしてパスタ中心にしっかりカーボローディングしている。

けっして食べなれない中華料理などに手を出していない。

臆病なくらい慎重。

それだけレースを大事に考えているのだろう。

もちろんアルコールは口にしていない。

わたしも飲むつもりだったが、欧米人のシリアスな姿勢に感銘して

アルコールは控えた。

昼に粗食だったので大いに食べた。

マッキーも食べた。

二人の食べ物で違うのはケーキを食べたかどうかでした。

あとはほとんど同じものを食べた。

5つ星ホテルを信用して全く無警戒に食べた。

お腹を落ち着かせて、早めにおやすみなさい。

カーボパーティのステージで記念撮影

 

 

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3月13日土曜日

朝方の4時頃。

マッキーがうなっている。

すごい吐き気がしてカーボパーティでたべたもの全部吐いてしまったと。

いろいろと薬も飲んでみる。

やがて夜が明ける。

本当はスイムをもう一回試泳してなんて考えていたが、ただただじっとしているだけにした。

朝食も食べられないといい、私一人わびしく食べた。

全く同じバイキング。もう飽きた。

昼になって一緒にバイキングに行ってみる。

少し無理に食べてみたが、あとですぐ全部はいてしまった。

13時から競技説明会。

日本人は77名参加で、最大の参加国。

次がUSA、オーストラリア、韓国、中国の順だったと思う。

全部で47ヶ国。

競技説明は英語、中国語、日本語の3セクションに分かれてやった。

その後バイクとラントランジッション物品の預託。

マッキーは出られないかもしれないが一応用意はしておこう。

奇跡的な回復を信じて。

何とか、次につなげるためにもスイムだけはやりたいと話した。

バスに乗せるのに、バイクが場所をとり多人数乗れない。シャトルバスはちょっとしたラッシュになる。一台目は乗れないで30分待って二台目にようやく乗れた。

午前中、競技説明会前に預託を済ませておく方がよかった。来年からはそうしよう。

バイク預託時のバイクラック

向こうはスイム会場の南渡江ナンドウジャン

 

4時くらいに帰ってきた。

マッキーが醤油せんべいを少し食べた。

やっと味がした。

すこし元気が戻った。

夕食まで休む。

バイキングは見たくも無いほど飽きた。

夕食はホテル内の中華に行って見る。

あまり口に合わなかった。

ともかく食べられるものをなんとか詰め込む。

麻婆豆腐と、何かの麺と、まんじゅうを食べた。

麻婆豆腐と麺は辛くて合わない。

しかしマッキーはようやく辛子の刺激で胃が動いたのか少し食べることが出来た。饅頭は全部食べた。

後は寝るだけ。

7時半に眠るも、8時頃バーンと花火があがる。

土曜の夜だけのアトラクションのようだ。

9時頃、モーニングコール明日の4時で間違いありませんか?と確認の電話が来る。

もう寝ようとしていたのに気が利かないやつめ。

その後はすぐに眠りについた。

マッキーは傷ついた獣のように

じっと身を潜めて、用の無いときはひたすら眠った一日でした。

 

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3月14日 日曜日

スイム編

朝4時起床。食事に行く。

ホテルは例のバイキングを用意していた。

この時間の朝食だけはありがたい。

いろいろと気に食わない点が多いホテルだったが

この朝食だけは評価しよう。

マッキーがおかゆ一杯とパンを二個だけ食べることが出来た。

吐き気はまだするが、ともかく食べなければと詰め込んだようだ。

なんとかはかないでお腹に収まりそうだとの事。

スイムが終わって調子よければバイク出るだけ出てみる。せめてコース一周位してみるかなという。

決して無理はしないよう。

バイクも絶対に一周でやめることと話す。

バスでトランジッションに行く。

来た日の寒さがうそのように、今日は朝から蒸し暑い。

きれいに晴れている。

ただもやがかかったよう。

もやのフィルターで紫外線は強くなさそう。

風が強い。

まだ暗い。

バイクの空気を入れ、バイクトランジッション用品をセットする。

ウェットスーツを着る。

ここでキャロルハッセルさんに合う。

マッキーと握手してくれた。

とてもフレンドリーでやさしそうな温厚な人でした。

チャンタルフェーブルさんも紹介してもらう。

キュートな感じ。

用意が完了して、

南渡江の川岸に下りる。

カエルの合唱がすごい。

大型のカエルで低音がよく響く迫力のある声。

試し泳ぎでゴーグルのフィットなどを確かめる。

水温は来た日よりぐっと上がり、冷たくない。

エイジグループのカテゴリ別に指定の場所に並ばされる。マッキーと離れる。

やがて7:00になってプロがスタートした。

猛烈な水しぶき。

花火があがる。

中国人は花火が大好き。

日本のように間をおかず、連発でどんどんあげる。

まだ薄暗いので花火がきれいに見えた。

5秒間隔で5人ずつスタート。

最後のスタートは7時07分。

ゴールのクローズも24時07分との事。

マッキーは先に行った。

もうどうなるかわからない。

まもなく自分のスタートになった。

ブイは試泳時と比べ岸よりに寄せられていた。

ロープ際の最短距離でよい。

反時計回りで、左顔上げとなる。

私は両方の顔上げが出来るが、どちらかというと

左側の方が良いので相性ぴったり。

ほとんどの大会は時計回りが多い。

海水の味が濃い。おそらく満潮に近い時間か。

こういうときは水流が遅い。

割とスムースに泳ぐ。

一周目21分で上がる。

二周目、プロ達に追いつかれる。

ロープ際の最短距離からはじき出される。

すこしはなれて泳ぐ。蛇行する。

45分経過。24分かかった。

三周目、コース取りに慣れる。蛇行しなくなる。

1時間7分、22分にペースアップ。

4周目、コースがあいてきて泳ぎやすくなる。

1時間34分でスイムあがる。

丘に上がるたびマッキーがリタイアしていないのを確かめた。また最終周回で、周回遅れはいなかったことを確認。多分マッキーはスイムクリアできるだろう。

トランジッションに行く。

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バイク編

今回は全部着替えてみた。

長袖の白いバイクジャージを着る。

肩掛け型のバイクショーツをはく。

これは腰の圧迫が無くて楽だ。

パッドも十分に厚い。

欠点は、フィットしないと肩がこる。

上も全部脱がないと着替えられないのでトランジッションに少し手間取る。

バイクがスタートした。

昨日までの曇天と打って変わり、晴れている。

気温もぐっと上がった。

今日は暑くなりそうだ。

予報ではたしか34度になるはず。

川沿いの道路を南下する。

南風がびゅうびゅう吹いている。

逆風。

しかしコースは南北に15km、東西に30km。どちらかというと東西に長いコースなので大部分は横風として関係ないはず。

15kmでおわると思い、辛抱して漕ぐ。

市内のメインストリート。

片側を全部使っている。

反対側は猛烈な渋滞で気の毒な感じ。

しかし、イライラした感じは無くバスの窓から

応援の声を掛けてくれる。

街の人も面白がって見物している。

やがて西に向かう高速道路に乗る。

出来たばかりの高速道路。

片側2車線と1車線に相当する広い路肩。

広い路肩は、きっとハワイ島コナを意識したのではないだろうか?

アイアンマンを本気でやる気だとうれしくなる。

両方で6車線に見える広い道路。

その片側を閉鎖してレースに独占使用。

反対側はさぞかし渋滞かと思いきや、意外と車は少ない。

まだ全部開通していないためらしい。

来年は全部開通して、車ももっと増えているだろう。

道路はきれいに掃き清めてある。

パンクしたバイクは1台しか見なかった。

エイドは青少年でいっぱい。

中高生とおもわれる年代だ。

競うように水やバナナを手渡してくれる。

手に取るととても喜び、その横で取ってもらえなかった子が残念がる。

とても素朴で可愛い。

高速道路を淡々と走り、

やがてUターン。

田舎道に入る。

道堂鎮ダオタンヂェンという村に入る。

鎮とは鎮守の鎮で、村名の最後につくことが多い。

こういう村は必ずどこかに何かを祭った祠のようなものがある。

日本で言えば小さな神社を中心に村がある感じ。

1車線の狭い道路。

両側に平屋で石つくりの農家の家が連なる。

上り坂。

両側家の前に地元の人たちが並ぶ。

あるいは家の窓から身を乗り出して見ている。

子供達が声を張り上げて加油(ジアヨウ)と叫ぶ。

加油とは、中国語でがんばれという意味です。

可愛い女の子がいて、漂亮ピアオリャンと言ってやると

ポッと顔を赤らめて謝謝シエシエと小さい声で言う。

とても可愛い。

漂亮ピアオリャンというのはきれいねとか輝いてるねという意味。

いい男の見本として、おじさんを覚えておくんだよ。

おじさんのような、

ひなたのにおいのするいい人に出会うんだよ。

そしたら幸せになれるからね。

などと勝手なことを考えながら坂を上る。

私は別としても

47ヶ国のアスリートが勢ぞろいして、

ヒルクライムしている姿はきっと印象に残るだろう。

きっとひなたのにおいのする健康で明るい男が

理想的な男のイメージとして刷り込まれるだろう。

子供達にもきっといいことをしているんだと思う。

やがて道堂鎮ダオタンヂェンという村を終わり

すこし下って、今度は石山鎮シーシャンヂェンという村に入る。今度は少し道が広く、道の両側に椅子やテーブルを並べてくつろぎながら応援してくれる。

ここでも加油の大合唱。

二つの上り坂は加油の大合唱に押される。

普通はげんなりする場所だが、

ともかくすごい。鳥肌が立ちっぱなし。

無我夢中で漕いであっという間に終わった。

道が狭くて地元の人との密着度がすごい。

人の熱気を直に感じる。

交通規制はきちんとしているし、

飛び出しの心配はない。

上り坂なのでスピードも危険なほど出したくても出せない。

うまくレイアウトできている。

マッキーはきっとスイムで辞めただろう。

この光景を見せてやりたかったと思った。

ツールドフランスかジロデイタリアを彷彿とさせるすごい応援。

忘れられない。

エンドルフィン一杯の鳥肌ものです。

これだけでも来た値打ちがあったと思った。

村を出ると高速道路の上にまたがる道路を通過し反対側に行き

長い下りを飛ばして、高速道路に戻る。

高速道路に戻って復路となる。

風は巻いているように思えた。

横風と向かい風が多い。

反対側に周回進みの上級者が飛ばしている。

しかし、あまり早くない。

なにかもがいているよう。

こちらだって追い風ではない。

強い横風は行きも帰りも向かい風になるのだ。

気温も上がってきた。

2周目は苦労するだろうなと覚悟する。

高速道路が終わる。

今度は北上する。

追い風、腰を起こし楽をして、軽快に飛ばす。

しかし反対側をDHでもがいている先行車をしっかり見てあらかじめ覚悟する。

あっという間にトランジッションに着く。

さあ、大変そうな2周目の始まり。

風がだんだんと強くなってきた。

スポークが唸りをあげ

DHバーが奇妙な音楽を奏でる。

DHバーにワイアーを通す穴があり

そこで空気が渦巻いて、

笛を吹くような音が出る。

やれやれ。

南に向かう。モロに向かい風。

フラットなのに15km位しか出ない。

高速に出れば横風に換わる。それまでの辛抱。

高速に出た。

確かに横風だが、強い向かい風としてバイクに当たる。

行きも帰りもともにもがいている。

20kmを少し超えるくらいのスピードしか出ない。

25kmくらいあった平均時速がどんどん落ちていく。

やがて折り返し。

そして村の道に入る。

さすがに長時間。

人々も飽きたのか、びっしり並んではいない。

それぞれ自分の仕事をやっていて

時々レースも見ている感じ。

行くバイクもまばらなのでしかたないか。

それでも子供達は応援してくれる。

応援している子供達から、

将来何人のアイアンマンが誕生するだろう。

きっと大きくなったらやってやると思う子供も多いだろう。

一周目は可愛い女の子に目が行ったが、

こんどはキラキラと光る男の子の目が印象に残った。

一度目より大分苦労して坂を終わる。

相当に平均時速が落ちた。

この分だとランに十分時間が残せない。

ランを一周だけでもするか

などと考え始める。

高速度道路をまたぐ道路に入ったとき、

下に見えたマッキー。

おーいタマと声を掛ける。

お互いに手を振る。

昨日ほとんどのまず食わずで何という頑張り。

俄然元気が出てきた。

しかし帰りの風も強い。

一周目とは風速が違う。

苦労して戻る。

高速が終わり、川沿い北向きにトランジッションをめざす。

やっと追い風だ。

バイクゴール。8時間12分かかる。

 

*********************

ラン編:

トランジッションは、苦労する。

肩掛け型のバイクショーツを脱ぐには上もいったん脱ぐ必要がある。

全部着替える。

そして出発。

このとき17時07分。

ゴール閉鎖の時間まであとちょうど7時間。

チェジュの時と同じだ。

頑張ろう。

しかし

腰に手をやったときゼッケンベルトが無いのに気づく。

大急ぎで戻って

トランジッションバックを戻してもらっったり

再びチップマットをまたいで大丈夫か確認したりなど

すったもんだで15分もロス。

もったいなかった。

気を取り直して淡々と走る。

決して歩かない。

しかしキロ10分を少し超える。

キロ10分をすこし切らなければ間に合わない。

夜になり涼しくなった後ペースアップできるかも知れないと

信じてひたすら走る。

やがて日没。

暗くなってきた。

しかしペースを落とさないのが精一杯。

ペースアップには至らない。

マッキーとはランで3度すれ違った。

早歩きで頑張っている。

エイドではコーラを少しと、りんごを食べた。

あと、スポンジを取って、帽子と両肩にいれて冷やした。

ペースは上がらず、

トランジッションのミスが無かったとしても

やはり間に合わなかった。

後悔しても始まらない。

こうなったら楽しんでやろうと気持ちを切り替える。

やめさせられるまで絶対にやめない。

あと、マッキーがせっかく頑張っている。

おれが止めたのを知ったら糸が切れてつられて止めてしまいそう。

ぜったいにやめられない。

2周回なので一度ゴールラインの近くに行く。

東京で言えば浅草のような旧い町並みのところをゴールラインに選んである。約1kmくらいか。

そこも、ものすごいおおぜいの人が間直に応援してくれる。

かりそめのゴール気分をあじあう。

ゴール手前でUターン。

2周回目に入る。

淡々と走る。

前方に車が止まっていると選手回収車かと心配するが

エイドの補給運搬車だったりした。

やがてトランジッションエリアに戻る。

そこにもカットオフは無くまだ走らせてもらえるようだ。

近くに一人。200m前にもう一人。

あとはだれも見えない。

近くの一人がやめさせられて車に乗せられた。

私はまだ続けても構わないという。

なにがどうなっていたのかいまだに不明。

折り返しに到達。

折り返しのチップに反応するワイアーはすでに取り去られていた。

これからはもうラップも記録に残らない。

パトカーが後ろに少しはなれてつく。

反対車線はすごい渋滞。

こちらの車線は私一人だけ。

パトカーを従えて、

VIP気分で走らせてもらっている。

何度か近づいてきて

大丈夫か?とか

車に乗らないかとか話しかけてくる。

大丈夫だ。

走りたい。と答える。

やがてトランジッションに戻る。34.8km地点。

ここでチップをはずされる。

マーシャルから、今からエイドも撤去する。

コースの交通規制も解除される。

ゴールする頃にはゴールそのものが撤去されてだれもいないだろう。

あなたに車に乗って、ゴールまで帰ることを強く勧めるといわれた。

リタイア勧告だ。

まあここは仕方ない。

いまから選手ではなく一通行人として走り続けるのはあまりに危険が多い。

車に乗った。

長い一日が終わった。このとき23時30分頃であった。

車でゴールに向かうまで8km、誰もいない。あと2kmくらいのところで二人走っているのが見えた。彼らが最終ゴールだろう。

我ながらよく粘ったものだと思った。

完走には至らなかったが、とにかく最後まで続けて楽しめたのでよしとした。それなりに満足感もあった。

ゴールにはマッキーが待っていた。

マッキーは最後は走って、結構いいタイムでゴールしたようだ。

やがて花火があがり競技の終了を告げる。

ながい一日が終わった。

****************************

アフターレース

朝目が覚める。

いつものバイキングの朝食。

レースが終わった開放感からか、飽きているのに、新鮮な味に思えどんどん食べる食べる。

マッキーも完全回復、食べる食べる。

いろんな人と会う。

結構体調を崩していた人が多いことに気づく。

一息ついてトランジッションへのシャトルバスに乗り

バイクとその他用品をピックアップに行く。

ホテルに戻る。

成績表が貼られていた。

マッキーは年代別3位だ。

万一ロールダウンになってその場にいなかったら後悔する。

駄目に決まっている。行くだけ無駄。

というマッキーをなだめる。

本部にいく。

いちおうハワイスロット登録状況をチェックする。

キャロルハッセルさんはすでに登録してあった。

これで気は済んだ。後悔しなくて済む。

バイクの梱包と、グッズの洗濯かたずけにかかる。

ベランダが飾り窓で本当のベランダではなく、

干すところが無くて苦労する。

部屋中に広げて、ハンガーにかけてつるせるだけつるす。

換気扇を回す。

バイク組み立てた後は、バイクを室内に、

廊下にバイクケースを置いておいた。

部屋が狭く、バイクとバイクケース両方は置けなかった。

従業員が困りますといってきた。

部屋が狭いのでおくところが無い。

そちらで帰るまで預かってくれと頼んだら

そうしますといって引き下がった。

ケースは滞在中そのままだった。

部屋が狭いことを強調したのが効いたと思う。

さいわい体重計があったので

梱包も楽だった。

何をケースに入れたか、メモをとっておいたが

体重計があるので適当に入れ替えることが出来た。

いま航空機預け荷物の重量制限が厳しくなってきている。

きちんと計って、メモを持っておくこと。

秤が無いときは行きと帰りと同じものを入れること。

オーストラリアでの教訓を生かした。

帰りに身に染みることになる。

昼からはアワードパーティ。

地元の子供達や青少年による京劇のショーのあと

表彰式になった。

マッキーも表彰台にあがれ、

キャロルハッセルさん、チャンタルフェーブルさん

と握手し並んで写真を撮った。

F66−59カテゴリの入賞者表彰台にて

左からキャロ ルハッセルさん チャンタ ルフェーブルさん 槇本美恵子マッキー

 

F55−59のカテゴリではみなランでつぶれて歩いたようだ。

マッキーを除いてみな6時間以上かかっている。

マッキーだけラン5時間台。

ランすごいねとキャロルさんからもお褒めをいただいた。

カテゴリ世界ランク2位のキャロルハッセルさんとツーショット。

いつかはりあいたいとマッキー。

ハッセル夫妻

ご主人も選手として出場している。

ご主人の方が年下でした。M50−54のカテゴリ。

やさしくハンサムなご主人。恰幅も良い。

ハッセルさんのパワーはきっと幸せパワーなんだと思った。

 

 

 

 

やまとなでしこ3人。左からHayashi KanaさんF25-29カテゴリ2位でした。真ん中はMiyazaki Takakoさんマッキーと同じカテゴリ、マッキー。

 

さてもう教訓を知った。

パーティの食事は油断しない。

最初は小さく一口、口に入れて違和感が無いことを確かめてから食べる。

スイカが暑さにやられて腐っていた。すぐ人知れず吐き出した。

テーブルに並べた時点では大丈夫だったのかもしれない。

置いて時間がたつにつれあやしくなるのかも知れない。

ちなみにカーボもアワードも中庭での屋外パーティ。

食べ物に日が照っている。

他に体調崩したひとに聴いて見ると

どうやら昨日のケーキの一つが怪しかったみたいだ。

今日はそのケーキは並べられていなかった。

証拠が無いのでホテルを責める訳には行かない。

またいくらでも言い訳できるだろう。

糾弾しようというわけではない。

5つ星ホテルでも無防備に安心してはいけない。

警戒心をもって食べる。

宮廷ドラマで後継者争いの渦中、

王子が絶えず毒を盛られる恐れがあるなか

一口一口神経を集中して食べているシーンを思い出した。

あの王子様のように警戒心をもって食事に臨まなければならない。

来年の練習と思ってそうした。

欧米人はカーボパーティとは打って変わり

豪快にかつ無警戒に飲んで食べている。

今回とても印象に残ったのは欧米人のカーボパーティとアワードパーティでの食べっぷりの違いです。

レース前のカーボパーティではなれないものに手を出さず、アルコールも避け、じっと身を潜める感じ。

見ているとおなじものばかり食べている。

彼らは狩猟民族。

カーボパーティでは狩の前の狩人。

食事が単調なことなど気にしない。

粗食にも耐える。

アワードパーティは狩の後の宴。

宴では飽食する。

酒も飲む。

このめりはりがとてもはっきりしていた。

彼らは普段驚くほど単調な食生活をしているようだ。

北京オリンピックでは欧米の国は

食材を持ち込み、シェフも同伴し

現地のものは一切口にしなかったのは有名だ。

東洋人は農耕民族。

いろいろと山海の珍味、海の幸、山の幸に恵まれ、

普段から多種類のものを食べることができる。

飢えることも少なく、

珍しいものを積極的に食べる。

食への冒険心も旺盛で順応性が高い。

日中韓いずれも多彩な食文化をもち楽しめる。

欧米と東洋。

食文明という観点からはどちらが文明的かははっきりとしている。

しかし、世界史は野蛮が文明を侵して征服した歴史。

アウェイでの戦いのさなかは彼ら欧米人の割り切りを学ぶ必要があると感じたしだいです。

 

パーティが終わった。

街に繰り出そう。

タクシーを呼ぶ。

20分待てという。

タクシーが来た。

50元かかるという。

なに!正規料金は15元くらいなのを知っている。

しかし、クレームをつけて別の車を呼ぶとさらに何分待たされるかわかったものではない。

時間の方が大切だ。

ぐっと我慢をして、そのまま乗った。

きっとホテルのボーイとタクシー運転手が通じているに違いない。

タクシーはメータを倒さずに走った。

料金は全部ポケットに入る。

現地の庶民にとって50元は大金です。

生活感覚なら5000円といったところ。

一定の比率でボーイと山分けするのだろう。

支配人に訴えてやろうかと思ったが

言い訳はいくらでも出来る。

私どもはお客様の安全を考え、信頼できるタクシーを選んで呼んでいるのです。そのためのプレミアムです。

きっとこういうだろう。

相手がいいわけする余地なく、絶対に勝てる場合でなければ無駄。

無駄なことはしない。

どうせこのホテルは今年限り。

来年からは市中ホテルを使う。

愛着があり、また使いたい。

しかしここが惜しい。

そういう場合は忠告のクレームをつける。

このホテルはそれに値しない。

街の中心からはるかに離れたど田舎にあるリゾートホテル。

その中に実質的に囲われて、10倍高い食べ物飲み物を飲まされる。

高い割に部屋は狭く、食の安全も100%ではなかった。

かえって市中ホテルで、安全100%を信じないで、油断しないほうがよかったと思う。

部屋の掃除に来る人たちは感じの良い人が多かったが、

何といってもタクシーを呼んだベルボーイが印象を悪くした。

従業員の語学力もばらつきが多い。

欧米基準で、主に欧米の客を主に扱うようだ。

トイレに行くと便座の位置が高い。

背伸びして用を足さなければならない。

これはハワイと同じ。

完全に欧米スタンダードだ。

東洋人の客は想定していない。

従業員も英語が話せる職業というので張り切っている者が多い。

中国語で話しかけると、変な顔をする。

英語で話しかけるとニッコリ

中国語で話しかけると不審者を見るような顔をされる。

まるでもぐりこんだスパイでもみるような雰囲気。

それでもフロントの幹部以外は英語は不自由で、

末端の従業員には中国語で話さざるを得ない。

ホテルを一歩出るともう英語は通じない。

中国語も、なかなか北京語が通じにくい。

むこうも、方言を抑えて北京語で話してくれるが、なかなか聞き取りにくい。

なんとかフルセンテンス話すと、なまりの違いを超えて通じるが、単語の羅列だと、ちょっとした発音の微妙な違いでもう通じない。

それでもなんとか用を足せる程度には通じた。

来年はリゾートをでて市中に行こう。

物価の安い中国を満喫できる。

また市中の熱気を直接味あうことが出来る。

ついに見つけたスーパーマーケット。

大潤発(ダールンファー)という。

これは固有名詞。

スーパーマーケットを一般名詞でなんというか、ついにわからずじまい。

北京語では超市チャオシで上海でも通じたのでしたが。

この地方ではまだ、一般化していない。

とてもきれいなマーケットで、食料が何でもあった。

衣料日用雑貨もあり、ここですべてのものがそろえられる。

食品に関しては上海より品揃えが良い。

見たことも無い魚、貝、蛙、鳥、卵、木の実、果物などが清潔に整然と陳列されている。

市中の露天市場で見ると気味悪いが、ここではうまそうに見える。

買わなくても見るだけで楽しい。

店員も不必要に寄ってきたり、干渉したりしないのが良い。

値段も非常に安い。ホテル内の10分の1だ。

晩飯はここの惣菜にした。餃子、シューマイ、寿司、果物、チマキなどを買い込む。

きちんと冷えた棚に清潔に陳列されており、安全性も高いと踏んだ。

一見わびしそうだがそんな事はない。

もう完全にホテルのバイキングは飽き飽きだ。

味もよかった。おなかも壊さなかった。

ともかく違うものが食べたかった。

とても満足な食事でした。

どうもわれわれは貧乏性なのか、

高級リゾートは肌に合わなかった。

高いといっても日本の値段に直すとそうでもない。

中国と思わなければ普通の値段かもしれない。

しかしどうしてもホテルの外の物価と比較してしまう。

そうするとだんだんと腹が立ってくる。

ホテルは、ここは夢の別世界なのです。

すべてそれなりのプレミアムがつくのです。

というのだろう。

ホテルの周りは田園地帯で一面の畑。

一方で道路が広げられつつあり、

別荘群が開発されつつあった。

ニューヨークのロングアイランドのような別荘になります。

と看板に書いてある。

一戸建てでどうせ五千万くらいするのだろう。

そして将来1億以上の値段が付く事を夢見ているのだろう。

中国人には一戸建ては夢の家だ。

上海の大金持ちでも、たいていはマンション住まい。

そういう人たちがリゾートで夢をかなえたいと思うのか?

ロングアイランドといえば、ヘミングウェイなどをはじめとする米国の著明作家が固まって住んでいる別荘群。

そこにこもって執筆している作家が多いとか。

頻繁にパーティがあり、作家同士が親睦を深めると共に、

情報交換したり刺激しあったりする。

住んでる人のレベルが高いから、有名になったのであって、

建物がいいからではない。

なにか違うな。

@何年かたって、バブルがはじけ廃墟となっているか?

Aバブルが穏便に収まって、大安売りされて、小金持ち程度の人が住んでいるか?

Bバブルがますます盛んになって、ほんとにロングアイランドのようになっているか。

Bのシナリオが現実になったらきっと泊まったホテルも一泊10万はくだらない超高級ホテルになっているのだろう。

そのときはきっと、

1元=50円(現在13円50銭くらい)、一元=1ドル

くらいになっているのだろう。

そうなると息子の稼ぎと私の稼ぎが逆転するかもしれない。

私「2010年にあそこに6泊もしたんだよ。」

と孫にでも自慢できるかもしれない。

孫「すごいお金持ちだったんだね。今はたいしたこと無いけど。今ならおとうちゃんのほうが金持ちだね。昔はおじいちゃんというより、日本はとってもお金持ちだったんだね。すごいや。」

この3つのシナリオのうちどれになるか

だれもわからない。

マーケット大潤発ダールンファーからホテルの帰りタクシーを捜した。

なかなかつかまらない。

そこに三輪車のたまりをみつけた。

けだるい雰囲気が漂っている。

聞き取れない方言の渦。

その中で、

ニンヤオチュウナーリ?(どこにいかれますか?)

はっきりときれいな北京語が聞こえた。

ハイナンホワン・・・えーと(海南皇・・・)

ハイナンホワングアンジウディエンマ?(海南皇冠ホテル?)

そうだ。

いくらだ。

30元だ。

ふつうはここで高い。タクシーだって15元だ。

というとだいたい20元くらいで決まるのが普通。

しかし値切るのもめんどう、高いホテルで金銭感覚も変わっていたので

とても安く思えた。

言うとおりの値段で手を打って乗ることにした。

ここで決して値段を決めないで乗ってはいけない。

どんな高い値段を言われるかわからないし文句も言えない。

必ず事前に値段を決めておくこと。

タクシーはいちおうメータがあるが、

三輪車はメータがない。

値段は交渉次第。

三輪車は横断歩道や歩道にもあがる。

車道も走る。

二輪レーンも走る。

車であり、二輪車であり、原付であり、歩行者でもある。

どこにでも行ける。

水澄ましのように渋滞の道路を駆け抜ける。

渋滞の市内で本当に急ぐ時はあるいは最速の交通機関かもしれない。

オープンカーのように外の風が当たる。

道路の熱気、におい、風、などに直接触れることができる。

とても面白い。

ホテルの周りは田園風景で、畑に牛がねそべったり、

海老かうなぎの養殖をしているらしい池があったり、

ところどころ、露天の市場があったり

ほんとうの地元との距離を近く感じることができた。

3輪者の客席から。

ホテル近くの田園地帯を走っているところ。

 

ホテルに着いた。

エントランスに近づくとボーイが血相をかえてやってきた。

入ってはいけないと運転手にいう。

私はゲストだ。文句あるかと言おうとした。

運転手が困った顔をした。

ああ、喧嘩を売ると彼が困るのだなと思い、おとなしく引き下がった。

エントランスの少し手前で降りて、記念写真をとり

ヘンヨウイース、シエシエ(とってもおもしろかった。ありがとう。)といってサヨナラした。

ホテルエントランス前で記念撮影。イケメンの好青年とツーショットでご満悦のマッキー。

ご満悦すぎてしわが写ってしまったとかでマッキーの写真は掲載不許可となりました。メス狼のキャラ(狼と香辛料より)で代用します。

 

運転手の青年はとてもハンサムで温厚で賢そうな顔をしていた。

大学生のアルバイトかもしれない。

マッキーは小費(シャオフェイ)(チップのこと)をあげたいという。

私は値切らなかったので十分だといった。

よっぽどあげたかったのだろう。

翌日上海でタクシー代のお釣りをまけてやったら

そんなの出す理由がない。

それくらいならあの三輪車のお兄ちゃんに出してやればよかったのに!

とマッキーが怒る怒る。

しばらく不機嫌でなだめるのに苦労した。

食事後、ホテルのビーチを散歩したり、プールそばの露天温泉に入ったりした。

ようやく夏が始まったのか気温があがってきた。

来た日とてもぬるかった温泉だったが今日は温かい。

来た日のぬるい温泉には欧米人が気持ちよさそうに入っていて、

冷たいプールも平気で泳いでいた。

温泉が暖かくなった今日は欧米人は長居しない。

やはり、欧米人は寒さに強く、暑がりなのだ。涼しいのが好き。

東洋人は寒がりだが暑さに強い。温かいのが好き。

程よくぬるくなったプールでのびのびと泳いだり

温泉に入ったり。

またプライベートビーチで寝そべって星空を眺めた。

ただ気候が靄がかかりやすく、明るい星しか見えない。

来た日には冷たかったビーチの水もだいぶぬるんできた。

いまからがほんとの夏の始まりなのだろう。

まったりと過ごせ、

来年は市中ホテルだが、このホテルも一回くらいなら悪くは無かったと思い直した。

 

 

3月16日火曜日

朝5時起床。

6時15分の送迎バスに乗る。

名古屋発の日本人グループと同乗させてもらった。

グッドウィルツアーのご配慮ありがとうございました。

飛行機は8時30分発。上海行き。

荷物預かりとチェックインに長蛇の列。

スムースに進んでいたのが突然止まる。

アイアンマン出場者のバイクケースが重量制限にひっかかった。

現場の係員で判断できなくて、すったもんだが始まった。

電話で何度もはなし、客と話す。

また電話で上司と話す。

全く列が動かない。

上司も電話でらちが明かないのか、

直接出てきた。

しかしいつもと様子が違う。

たんなるセレモニーではない。

奴らは本気だ。

おとなしく不服そうに超過料金支払うためクレジットカードを出す欧米人。

大急ぎで荷物をほどき、中のものを取り出して荷物の減量に努めるもの。

高価な樹脂製のバイクケースを壊し、底だけつかい、上は段ボールで覆うもの。

あちこちで大騒ぎが始まった。

ずいぶんと時間がたってから自分の番になった。

バイク梱包ケースの重量は制限誤差の範囲20.5kgにしてある。

係員が重量秤を見る。重量はOKのようだ。

今度は寸法か?

なにやら考えている。

そこで、

ライダシホーハオ ウェイシェンマチュウダブハオ!!

メイヨウシージエン クワイディアル!!

とテーブルを叩いて大きな声で言う。

来た良い、帰るなぜ駄目か?!

時間ないぞ、早くしやがれ!!

という意味です。

このフレーズはトライアスリートなら覚えておいたほうが良いですよ。

日本なら喧嘩の雰囲気だが、中国では当たり前の交渉。

気合の強い方が勝つ。

ゲームと割り切りましょう。

これで遺恨を残すことは決してない。

そういう国民性なのです。

けっしておとなしく引き下がってはいけません。

無事通過。

前回の西オーストラリアでは、荷物の重量制限はとくに厳しく

機内持ち込みの荷物まで干渉された。

機内持ち込み、1個7.5kgとの事。

いろいろなものを廃棄した。

中国では、預りが20kgまで、あとは機内に持ち込みなさい。

機内持ち込み荷物までは、干渉されなかった。

これはありがたかった。

しかし、昔のように、バイクケースを出して

受領を確かめた後で、ついでにこれもとトランクを出す。

そのような裏技はもう通用しない。

バイクケースだけ預ける。あとは機内持ち込みと最初から割り切る。

うっかりトランクを計量テーブルに載せようものならやぶへびになりかねない。

重量制限は厳しくなり、建前どおりにびしびしやられるようになりました。

重い樹脂製の立派なバイクケースはもう使えません。

ゴミに出しましょう。

重量オーバーのペナルティはとても高価につきます。

バイクケースの値段をはるかに超えます。

無事上海行きの飛行機に搭乗。

3時間で上海に到着。

千歳と上海間の距離に迫る遠さ。

中国は広い。

ここで山本さんという日本人女性と同席。

娘の嫁ぎ先の実家と同じ兵庫県三木市在住との事。

いろいろと話が弾んだ。

60歳過ぎで日本の大学に入学し、今月無事卒業見込み。

「わたし今月一杯までまだ女子大生なんですよ。」

とうれしそうに語る。

学友の中国人留学生のつてで、9月から海南島の大学の大学院に入学することになり、今回下見におとずれた。いまから中国語を覚えるのだと張り切っていた。

何歳からでも青春できるんだなと感じ入った次第です。

いろいろと語り合っているうちにあっという間に上海に着いた。

上海の浦東空港に着いて、うろうろしていると

なんと空港内の、リニアモーターカーの乗り場のすぐ傍に

大衆空港ホテルというのがあった。

とてもモダンでシンプルでこぎれいなホテル。

息子に電話して、値段を調べてもらい

予約を入れ、先に予約していた市内のホテルをキャンセル。

急遽そこに宿泊することにした。

これで帰りがとても楽になった。

バイクケースをがらがら押しながら市内をうろうろしなくて済む。

ホテルに荷物を置いて、

空港内のレストランで食事して

リニアに乗って市内へ。

料金は50元。(約650円)

時速430km。

6分で市内に着く。

普通に車で行くと、すいてて45分。

渋滞なら2時間半かかる。

普通にツアーで行くとガイドの車で移動するのでとても時間がかかる。

リニアの市内の駅を降りるとすぐに地下鉄2号の乗り場がある。

地下鉄2号に乗り、南京西路駅までやく25分くらい。

日本なら成田から都心のオフィスまで何時間かかるだろうか?

交通インフラでは完全に上海の勝ち。

歩いて息子の勤めるオフィスを探す。

一度うそを教えられて、反対方向に大分歩かされて手間取った。

やはり身なりのよい善良そうな人に聞かなければ駄目。

あとおのぼりさんが多いので、大きなかばんを持っている人や

何かを探しているふうの人は駄目。

ぜんぜんわからない。われわれと同じ。

身なりよく、さっさと歩いている人を呼び止めて路を聞く。

ちいさなオフィスだが、所長代理で出世していた。

少年青年時代は芽が出ないで苦労したが

ようやく花が咲いたかと一安心。

私の年収を超える日も遠からず来るだろう。

あちこち急がしそうに電話を掛け捲っている。

仕事振りを見物させてもらった。

日本やオーストラリアはなにかさびしいところがある。

ここ上海はさびしさが皆無。

ここが世界の中心ですといった活気と熱気にあふれている。

いるだけでエネルギーが湧き出ててきそうな雰囲気。

こういうところで仕事を出来るのはとても幸せだ。

ビジネスチャンスは洪水のように押し寄せてくる。

自分の力量と意欲とエネルギーにみあうものを選んで

ぶつかっていくだけ。

ひまで、待っているということは決してない。

なんでもフル回転の街。

夜は、息子の嫁さんとその両親と一緒に食事。

中華料理を御馳走になった。

もうレースが終わっているので、安心して食べた。

もちろんおなかは大丈夫でした。

結婚式以来でなつかしい。

嫁は相変わらずきれいで可愛かった。

嫁の実家でお茶をご馳走になり、ホテルにタクシーで戻る。

夜は車でも早い。

ここでつり銭をまけたらマッキーの雷が落ちたのであった。

バタンキューと眠り、

翌朝、札幌行きの飛行機へ。

荷物はスムースに預かってもらえた。

JRで函館へ。

家に荷物を置いて、一目散にカンタロウへ。

寿司を食べまくったのでした。

 

今回は初めてガイドなしの個人旅行。

レースのプレッシャーよりも、

独力での外国旅行のプレッシャーが大きく

またはらはらどきどきで楽しかった。

80%は英語と中国語で過ごした。

文法も発音もめちゃめちゃでほとんど単語の羅列のカタコトだったが、ともかく、用を足せる程度には通じた。

無事行って、レースをして、帰ってこれた。

それだけでも大満足。

語学学習もモチベーションも大いに上がった。

人が少なく宝石のように大事にされているオーストラリア

今度は人があふれて熱気に満ちた中国

両極端の国を続けて体験し、とても面白かった。

レースは時間切れ完走ならずだったが、

夜中まで時間一杯遊ばせてもらった。

他にも随分と刺激的なことが多く、

とてもエキサイティングな一週間だった。

ふうさんは落ち込んでいません。

同情無用。

マッキーのガイドと通訳とマネージャーとそして自らも選手と、

ひとり4役をやりましたので、とても充実した満足感に浸っております。

満点ではないが90点くらいにはなります。

 

アイアンマンチャイナ

それは早いものが勝てない、強いものが勝つところ。

餓狼(チャレンジャー)が獅子(チャンピオン)を倒せるところ。

妖しい光を放ち誘蛾灯の如くあなたを誘う。

その先にあるのは身を焼かれる挫折か

それとも甘味な栄光か。

あなたはこの誘惑を避けることができますか?

 

〜おわり〜 

2010年3月14日 日曜日 34度 風速南9m
完走者 258名(参加者364名)
Name       Category  Total    swim    bike   run    rank  Category Rank
Makimoto Mieko   W55-59  15:36:58  1:51:42  8:12:03  5:26:17  231     3



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