2010アイアンマンハワイワールドチャンピオンシップ参戦記
----女王様に拝謁した女狐ちゃん----

〜マッキー(槇本 美恵子)〜


Kailua-Kona, Hawaii
October 9, 2010
2.4 mile swim / 112 mile bike / 26.2 mile run


名前 総合タイム 年代別順位 SWIM BIKE RUN
槇本 美恵子 14:49:57 30 2:15:39 7:37:07 4:47:11

OVERALL RESULTS

ふうさんのレポート

昨年5月に70.3を完走し12月に初めてのロング・アイアンマン西オーストラリア、
3月にチャイナ・7月のチエジュでawaiiQualifiedそして10月のハワイ。
泳げなかった私が、よくここまでこれたものだと思う。
夫のふうさん、大先輩の冨田さん、函トラの仲間たちのおかげと感謝感謝です。

函館からの参加は5回目の出場となる冨田さん3回目の赤浜さん初めての私と3人です。

お二人はなんの心配もないが私はスイムが苦手でプールで3・8キロも泳いだことがないしウエットスーツなしの海は初めなので、かなり不安だ。
夢の大会チャンピョンシップにせっかく出られるんだから何とか完走だけはしたいと思う。

仕事の都合でふうさんは一日遅れで出発なので、冨田さん夫妻と3人で成田発コナ行き直行便に乗る。

「こんばんは」っと声をかけられて見ると東海さんです。
新参者の私は東海さんがJTU強化選手の凄い方だということを最近まで知らなかった。
チエジュで紀子さんに「北海道なら東海さんを知ってるよね?」って言われて知っていて当然のような感じだったので「はい」って言ってしまったものの実は知らなかったのです。ごめんなさい・・・

同室の人は「東海さんがいるからハワイは絶対とれない」って言うので、凄い人なんだと思ったけど、どれだけ凄い人かわからなかった。
チエジュでのタイムを見て、びっくり!!

9時間50分。バイクは5時間台、ランは3時間台。
これでは誰も敵いません。

北海道マラソンでも声をかけていただき、応援までしていただいて、今思うと恐縮この上なく、このアホなおばさんをお許しください。
紀子さんにも声をかけていただいた。髪を短くされてチエジュの時よりも若くてかわいい。

ふうさんは戸井で旧姓勝又さんとして活躍していた頃の紀子さんを知っていて、「彼女はとてもチャーミングな人だよ〜」って目を細めて言う。・・・と言っても話したこともなくファンだというだけです。

新参者の私がすごい方々とお知り合いになれてとても幸せです
私もがんばらなくちゃぁ!!と強く思う。



水曜日コナ到着

冨田さんに案内していただいてエキスポやフリーマーケットをふたりで見て歩くとだんだんわくわくして気持ちが高揚してくる。
エンドレスプールなるものも初めて見た。
やってみないかって店員さんに言われたけど、見るからにつまらなさそう・・・
それよりは目の前に海があるのだから早く海で泳ぎたい。

いろいろ見て歩いたら疲れたのでふたりで仲良くソフトクリームを食べて部屋に戻り、さっそく泳ぎに行った。

カラフルなお魚がいっぱいいて、とてもきれい!!
お〜〜っおもしろい!!おもしろい!!と思いながら試し泳ぎ終了。

ちょっとなら面白い。
大会で3.8キロも泳ぐとなると大変だけど。

夜は冨田さん夫妻と3人でタイ料理を食べに行って、ロコビールを飲みながら炒め飯、タイ風野菜サラダ、野菜炒めなど食べた!食べた!

部屋に戻ったらいよいよバイクの組み立てです。
チエジュでやってるのでまぁまぁすんなり組み上がって、やれやれ。


新しい戦友のCEEPO VIXEN(女狐ちゃん)



翌日はスイムスタート時間の朝7時に試泳に行くと、もうたくさんの人が見ていて泳いでいる人もかなりの数・・・
え〜〜っ???
今日が大会だっけ?って思うほどだ。
恐る恐る海に入って泳ぐも行く人戻ってくる人で、スムーズに泳げないので、ちょっとで止めて夕方ふうさんと泳ぐことにした。

朝食はスーパーで買ったパンや果物、牛乳、ジュースで済まし、冨田さんと二人でバイクのテストがてら空港までふうさんを迎えに行く。

行ってみるともう到着していて元気そうだ。
ふうさんは迎えの車でホテルへ向かい私達はバイクで来た道を戻った。


前々日夜。作られつつあるゴール。



大会前夜

夜は冨田さん夫妻と寿司屋で食べた。
握りとカリフォルニァロール、味噌汁がおいしい!
明日の朝食用に大きな梅入りおにぎりを3個作ってもらった。


前夜腹ごしらえをしたおすし屋さん。フアラライ通りにあります。


部屋に戻ったらもうお腹がすいて、おにぎり1個ぺろりと食べて、くか〜っと眠る。
緊張しない性格なので大会前日でもバクバク食べられてすぐに眠ってしまえるので、ありがたい。

さて〜、チェジュでは3時半起きだったけど、今回は5時起きだったのでたっぷり眠れて気分爽快。

大きなおにぎりも2個食べて野菜やフルーツ牛乳・ジュース、薬、サプリメントを飲んでトイレにも行き、いよいよ出陣。

外は、まだ真っ暗だ。
まずはランとバイクのスペシャルを預託する。
袋の中はミツバチの天然アミノ酸とミニトマトとベコ餅です。

マーキングをしてもらってからバイクのところへ行き、オヤツやボトルをセットする。

空気を入れられるかどうか心配だったけど、スッタッフの方が来てくれてスカスカ手際よく入れてくれた。
たくさんのスタッフが空気入れを持って歩いているので、ここでは空気入れを持って行かなくても大丈夫。

脱いだジャンパー、サンダル、空気入れをプレ・スイムの袋に入れてふうさんに渡し、そこでふうさんとお別れ。




スイム編


スタートまで時間があるのでキンカメのプライベートビーチで、ちょっと泳いで見る。

水は冷たくなかったけど上がると寒くなって鳥肌になってしまった。
ぷるぷる震えながら泳ぐんじゃなかったと後悔。

時間も近づき石段を降りていく。
50メートル先の水面にピンクやブルーの頭がいっぱいぷかぷか浮かんでいる。

アメリカ国歌が歌われ、いよいよスタート時間が迫ってくる。
丘からスタートしたのでは5分くらい遅れをとりそうだ。
意を決して、そろそろと泳ぎだす。
最後尾に着いたけど、号砲はまだ鳴らない・・・

立ち泳ぎができないので、どうしよう戻ろうかと思っていると「ドン!!」と鳴った!
がんばらないと〜と黙々と泳ぐ。

一気に置いていかれるかと思っていたら周りに人がいる。
サーフボードの人が「グッ・ジョブ!!」と、親指を上げて笑顔で言ってくれる。

初めてそんなことを言われたので、うれしくなって、張り切って泳いでいるうちに周りに人がいなくなった。
どうも少しはぐれて泳いでるようだ。
どこをどう泳いでるのかわからなくなって、近くのハーフボードに捕まってブイを探す。

目が悪いのでよくわからないけど、指をさしてくれている方に泳げばいいらしい。
だが泳いでも泳いでもまだ最後のブイまで行かない。

時計を見ると1時間を超えているのでだんだん不安になってきた。
さらに黙々と泳いで顔を上げて見るとやっと船が見える。

うれしくなって船の横をうきうきしながら泳いでると船上からにっこり笑って手を振ってくれて人がいる。
やった!やった!あとは戻るだけだぁ〜。

ちょっと立ち泳ぎして岸を確認しようとしたら、ぶくぶく潜って塩水を飲んでしまい、危うく溺れそうになった・・・
そこで岸を確認したらあまりの遠さに驚いてやる気をなくしたかもしれない。
溺れそうになって見えなかったのが、きっとよかったのだ。

ありがたいことに横にサーフボードがずーっとついてくれている。
泳ぎに専念していればゴールできると思い、ブイごとに顔を上げるだけで黙々と泳いだ。
だんだん桟橋が近づいてくる。

時計を見る余裕もないので間に合うのかなと、どきどきしてきた。
海底がぐんと浅くなったけどまだ手は届かない。
気が急いて立ち上がると足が着いた。

サーフボートの人にお礼を言いたかったけど時間が気になる。
早くマットを踏まなくちゃとよろよろしながら丘に上がると、両方から手を繋いでくれて石段を登らせ背中を押してくれた。

あとは1人で走ってピーピー鳴ったときは最高にうれしくて、うるうるした。


スイムゴール風景。私はあと200mくらいのところにいたそうです。

チャイナでは余裕があったけど、西オーストラリアでは1分前、ホヌーでは3分前、今回は4分前、いつも綱渡りだ。
やった!やった!間に合った!!もう完走できたようなものだ。

あとはもうこの晴れ舞台を楽しんでいこう!!
シャワーを浴びてランギアを受取り走って更衣室へ飛びこむ。

若いボランティアの女の子達が水着を脱がせくれる。
重くならないようにと思い、下に着込んでいなかったので、すっぽんぽん。

あれ〜・・おばさんの裸体を見せちゃって、ごめんなさい。
バイクウエアーに着替えて、バイク置き場に行くと1台だけ残っている。
てっきりVIXENかと思ったら違った。

少し離れたところに行くと何とまだ6台くらい残ってる。
ダントツびりを覚悟していただけに、びりじゃなかったんだとうれしくなる。
でも私のうしろから上がってきたのは一人であとはリタイアだったようだ。




バイク編


女狐ちゃんお待たせ〜さぁ行くよ!!
いよいよバイクスタートだ。
しばらくは1人旅かと思っていたらクアキニ通りを折り返してくる選手がいる。
足慣らしくらいの距離がおわりいよいよハビイまでの長い旅だ。

おっクイーンKだ。ふうさんが女王様がどうのこうのといっていたあのクイーンKだ。

やっと拝謁がかなった。私も、相棒の女狐ちゃんも。


クイーンK。左に曲がるとランの折り返しエナージラボ。空港まで1マイル。ランのときは真っ暗でよくわからないんですが、昼はこんな感じです。

クイーンKに出て、さぁガンガンいこうと思っていたらスイムの疲れが出てきたのか、どうにもこうにも眠くてたまらなくなる。

西オーストラリアでも眠くなってバイクから下りた途端、ハエに「なまけるな!!」とばかりに集られエライ目にあったなぁと思っているうちに、道路に埋めてある四角い出っ張りに乗っかってバイクをガタガタさせてしまい驚いてやっと睡魔が退散。

女狐ちゃんごめんね、さぁいくよ〜!!と気持ちよく1人、1人、と抜いていく。

ナンバーを見ると60代の女性だ。
ホヌーの時は、どんどん抜けたのに、何か調子が出ない。

そのうち膝が痛くなってきた。フクラハギもだるい。どうもサドルが低いようだ。
ハンドルも遠いようで肩も凝ってきた。DHバーの幅も広すぎる。

風邪をひいたり、木蓮の枝切りをしていて脚立から落ちて怪我をしたりで、買ってから3回しか乗る間がなかったことが悔やまれる。

あと2回くらい乗ればポジションが完全に決まっただろうと思った。

見栄を張らずに今までの戦友、ノーブランドの「おタマさま号」を連れて来てあげればよかったとちょっぴり後悔。
女狐ちゃんにはきちんと調整してあげられなくて、乗りこなせない不甲斐なさを謝った。

メーターをつけてなく、距離表示もマイルなので何キロ地点かがさっぱりわからず、バイクゴールが間に合うのか不安になるくらいスピードが出ない。

荒涼とした溶岩台地。猫じゃらしが枯れたような草が生えている。この草は硬く、弱い風では揺れない。これが揺れているときは結構強い風。

そのうち向いから車がきた。
もうトップ選手が折り返してくるらしい。
「おっ!!来た!!」ひえ〜っ!!足がくるくる回っていて、めちゃめちゃかっこいい!!

2位以下の選手をだいぶ離してる。
そして次々選手がやってくる。しばらくはすれ違う選手がいるので楽しい。

でも誰が誰だかさっぱりわからない。声を掛けてもらってもわからない。

冨田さんだけは、声をかけてくれた時にわかった。
無事スイムアップしたことがわかって喜んでくれた。

やがてコナウインドウが吹きはじめる。
登りで向かい風、横風とけっこう遊んでくれる。

ふと見ると溶岩台地に高そうなバイクが3台転がっていて選手はいない。
どうしたのだろうと横目で見ながら通過する。

あとでわかったが、落車して選手は救急車で運ばれたらしい。
70.3で昨年ハビイまで行ってるのに、景色をすっかり忘れてまだかなぁまだかなぁと思いながらペダルを回す。

やっと折り返してスペシャルを受け取り、ばくばく食べると元気になった。

下りもコナウインドウは容赦なく吹き、バイクが倒されるのではと思うほどで怖い。
「もうわかったっちゅうの!!降参ですう・・」なんて言いながら倒されないように足を止めると、余計に飛ばれそうになる。

負けないように足を回さないとだめなようだ。
速い選手が通る時間帯はまだそんなに強くない風だそうで、午後になって遅い選手の頃に吹き荒れるそう。
「なんで、遅い私を苛めるのよ〜。

速い選手はこたえないんだから逆にしてよね。」と風に文句を言う。

エイドステーションが見えてくると、うれしくて元気が出る。
冷たい水とスポーツドリンクをありがたく受け取る。

痛い膝とだるいフクラハギにも水をかけると少しの間気持ちがいい。
昨年70.3で泳いだハプナビーチは3度来ていて、昨年は函トラの仲間達と来たワイコロアビレッジ、空港、エナジーラボ・・ゴールはもうすぐだ。

VIXENお疲れさまぁ・・ポジションピシッと煮詰めないままで、ごめんね。

次の西オーストラリアは、ビシッと決めて、がんがん行くからね。
いよいよクインKから右折しバイクも無事ゴールできると思うと胸が高鳴ってくる。

ケアキニ通りにふうさんが見えるとうれしくて、うるうるしてきた。

右折するといよいよバイクゴールだ。

大声援で大勢の人が向かえてくれた。



 ラン編


着替えて、さぁいよいよ最後のランです。

パラニ通りの上りを苦しいけど、応援が多いのでにこやかに走って右折し、クアキニ通りに出る。
しばらくしてまた右折、フアラライ通りを下ってアリドライブに出ると左折して8キロ走って折り返す。

ところがアリドライブに出てきたところで、前を走っている選手はみんな右折していく。
つられて私も右折すると「フイ二ッシュ?」と聞かれる。
「NO・NO」と言ってあわてて回れ右して東へ8キロの道を行く。

まだちょっとしか走っていないのに危うくゴールしてしまうところだった。
とんでもなく、そそっかしい。

お腹が空いてぺこぺこなのでエイドごとに立ち止まってオレンジとバナナをばくばくほおばる。

商店とホテルがおわると高級住宅が建ち並んでいて応援も多い。
素敵なビーチもある。きょろきょろ楽しみながら走っていると滝さんが折り返してきて手を振ってくれる。
肉離れしてしばらく走れなかったそうですが大丈夫そうでよかった。

次は小島さんがやってきた。
落車で鎖骨骨折したり車に追突されて大変な目にあったようですが、きりっとした顔で走っている。
そして遠藤さんは元気いっぱいで楽しそうに走っている。

冨田さんもアレルギー性鼻炎で体調を崩し思うようにトレーニングができなかったけどがんばって走っている。75歳以上のみなさんはすごい方ばかりで私よりもかなり速い。

すごいなぁと感心!!

折り返してしてからしばらくすると真っ赤な夕日が「暗くなるけど、がんばってね!!」と、静かに沈んで行くのがみえた。

だんだん薄暗くなってきてパラニ通りを上るころにはもう真っ暗。
応援がすごいのに歩いてしまう。

クイーンKに出ると下り坂なので、そこからはまた少し走る。
しばらくすると街灯もなくなり真っ暗になってしまった。

以前は満月に一番近い日が選ばれていたのだが、最近は三日月だ。

かわりに満天の星が見える。星空がきれいなのは良いが、足元が見えにくい。
ポケットに入れていた100均の小さな懐中電灯で照らしながら歩いたり走ったり。
エイドステーションはすごく明るく音楽がかかってにぎやかなので遠くからでもわかる。

エナジーラボ入口までがまたまた遠く感じる。足も疲れてきて歩きが多くなる。
やっとエナジーラボの入口に来た。

軽快な音楽がかかっていて美女たちがいる。
折り返しまで行き、戻ってきてスペシャルを受取り一休みして食べる。
美女たちがいるところまで戻ってくると、電光掲示板に名前と応援メッセージが出ている。


エナージラボ復路の上り坂の真ん中あたりが30km地点。


30km地点、右に見える景色。


30km地点左側の景色。夜はよく見えないでしょうが、参考までに。

がんばらなくちゃぁと元気がでる。
クインKに出るとまた真っ暗な道を戻ることになる。

やっとゆるい上り坂までやってきたここを上りきったらあとは下って残り2キロ。

軽快に走ると応援がすごい!!
ハイタッチをしながらゆっくりゆっくりゴールの感激を楽しみながら進む。
大勢の人の大歓声の中、うれしいうれしいワールドチャンピョンシップ初完走でした。




アワードパーティで。函トラのTシャツを着て出ましたよ。

スイムの遅れが悔しい。

バイクのポジションをビシッと決めて、がんがんバイクを飛ばしたい。

とかいろいろもっとこうだったらという欲は無いわけではない。

しかし、ともかくも、晴れの舞台に立てたこと、そして完走できたことで満足感が一杯です。




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