2010済州国際トライアスロン+IQ(IronmanQualify)参戦記
--ハルラ山の雨雲は微笑んだか--

マッキーズ 槙本 美恵子


出場決定まで
 6月10日 冨田さんが、6月5日のハワイハーフアイアンマンで5度目のハワイワールドチャンピオンシップ出場を果たし、その祝賀会をやった。
その時、アイアンマンジャパンが中止になったが、ハワイスロットをそのままチェジュが受け継いで、代替え大会になるらしいという情報を聞いた。
帰って早速ふうさんがコリアトライアスロンとアイアンマンジャパンのHPをチェックしてくれた。

アイアンマンジャパンのHPを見ると、ジャパンエントリーしていた人を対象にチェジュで代替え大会を行う。これをみるとアイアンマンジャパンにエントリーしていた人だけが対象のように思えた。代替大会のHP済州トライアスロン+IQ(IronmanQualify)をみると、そんなことは書いていない。

翌日グッドウィルツアーに問い合わせると、ジャパンにエントリーしていなくてもIronmanQualifyに参加できるとの情報をもらい、さっそくオンラインから参加手続きをとる。
ふうさんは急に休みをとるのは無理なので、急きょ私ひとりで参加することにした。

この大会の名前は、2010済州国際トライアスロン+IQ IronmanQualifyRace アイアンマンアジア アイアンマンコリア Ironman Jeju アイアンマン チェジュ アイアンマンジャパン代替大会 チェジュ国際トライアスロン など様々な名称が錯綜していたが冒頭の名前が正式らしい。

しかし初めての海外単独参戦なのでかなり心細い。いつもふうさんに甘えてバイクを組み立てたことがないし梱包もやったことがない。 ただ去年のハワイ70.3、西オーストラリア、今年のチャイナと連戦しているから身体は仕上がっている。口蹄疫という不測の事態でのジャパン中止苦渋の決断。関係者の落胆は想像するに余りあるが、降ってわいたようなチャレンジのチャンス。「行ってこい!!」とふうさんが背中を押してくれた。



2010年7月7日 函館空港発

1週間も留守にするので、掃除・洗濯・猫たちのトイレ掃除と餌の準備などなどやることがいっぱいあり15時発の飛行機なのに時計を見ると14時半・・
慌ててタクシーを呼ぶ。「おじさん、3時の飛行機だから急いでね!!」って言うと「大丈夫だぁ・・東京ならだめだけど函館なら待っててくれるさぁ。」と、私よりももっとのん気な運転手さんだった。
着替える時間もなく家着のまま、しかもサンダル履きでちょっと恥ずかしいけど、ま、いいかぁ〜とゴミを出しに行くような姿で飛行機に乗った。

成田着 前泊
リムジンバスに乗り第2ターミナルからホテル専用の送迎バスに乗る。部屋に落ち着いて空港内の売店で買ってきた空弁をぺろりと食べるも全然物足りずホテルのレストランでシエフお薦めの2000円の定食もぺろりと完食。あとは、まったりと過ごして早めに就寝。[

7月8日(木) 
成田空港。バイクケースを持っている人たちがすでに並んでいるので、知ってる人がいないか探すと冨田さんのライバル遠藤さんがいた。
遠藤さんはおしゃれな帽子を被りポロシャツにジャケット、スラックスに革靴という出で立ちで今からトライスロンに参戦するようには見えないが、毎年チャンピョンシップに出ていて昨年は3位の表彰台に上がった凄い方です。チエジュまでの同行を願い出て、ご一緒させてもらう。

7300円払ってバイクを預けると一安心で、ふたりで空港内のレストランで朝食をとる。
76歳の遠藤さんは朝からカツ丼をぺろりと食べ私はお蕎麦とお寿司のセット。
服装といい食べっぷりといい世界の3位はやはり普通の人とは違うと実感。
遠藤さんはホスピタリティーツアーで宿泊もロッテホテルなので、チエジュに着いたらお別れです。

グッディのツアーバスに乗り、女性の隣りの空いている席に座らせてもらう。
彼女は東京在住でチームに入ってがんがんトレーニングをしているらしい。
39歳で3人のお子さんのお母さんです。名前は明子さん。
まずはサッカースタジアムで登録を済ませEマートで買い物をしてから韓国コンドに到着。

両替をしていなかったのでガイドの金さんに両替をしてもらう。
滞在費4泊5日分のお小遣いなら3万円分で充分だ。
43万ウオンを財布にしまうとパンパンになってたいそうお金持ちになった気分。

Eマートでたくさん食料を買い込んだ。
韓国コンドに着くとまずは部屋割りの発表があり35歳のトンコちゃん40歳のマリリンと一緒の部屋になる。
部屋に入いると懐かしい空気が流れた。
古びたバルコニーからの景色も3年前と同じでわくわくしてくるが同室の二人は初めてなのでアチコチみて汚さに驚いてぶーぶー言っている。

まずは自分達のスペースを決めようということで布団3組をどうやって敷こうかとあれこれやってみるが、どうにも狭いので私は台所にあるダブルベットに寝て、二人は奥の部屋に布団を並べることにした。
これで決まり居心地もよさそう。

さて、いよいよバイクの組み立てだ。
メモ帳を見ながら悪戦苦闘して何とか組み上がったのでさっそくバイクメンテに行ってみると、P4というかっこいいバイクの調整中だった。

私はバイクのことはさっぱりわからないけどマリリンが言うには、とてもいいバイクで値段も高いらしい。それもそのはずP4はプロの塩野絵美さんのバイクだった。
バイクメンテのお二人はどちらもなかなか、かっこいい!!

私の顔は思わずにんまりして猫顔になってしまう・・・フルクラムのホイールはよく回ってとてもいいとほめられたし、すぐに試し乗りに出る。
ホテル付近は車の通りが多く右側通行なので緊張しながら乗るが、なかなか快調だ。
あんまり乗ってパンクしても困るのでちょっとで止める。

夕食はトンコちゃんに誘われて、のこのこついていくと何と塩野絵美さん、山倉紀子さん、モデルの藤田希志子さんが一緒でちょっとびっくり。
みんなで牛肉と黒豚の焼肉やビビンバ、ちげ定食をぺろりと食べて、ビールも飲み、22万ウオン。
ひとり4万ウオン出して残りは紀子さんにごちそうになった。
強い方々は、やっぱりよく食べる。
みなさんお肉が大好きでお肉をばくばく食べていた。
私ひとり肉が苦手で本当は食べたくなかったけど、そんなことは言ってられないので顔だけはにっこりしながら辛みそをたっぷり乗っけて3枚もがんばって食べた。
ニンニクは大好きなので紀子さんに勧められるまま全部1人で食べてしまって、あとでトイレのあまりの臭さに絶句・・同室のお二人にごめんなさいだった。

韓国の食べ物は日本人の口に合ってとてもおいしい。
過去2回チェジュに来ているが食べ物のトラブルは無かった。
3月のチャイナでは前々日にお腹を壊して吐いて前日も吐き気で夕食になってもほとんど食べられずムカムカで力なくレース当日を迎えた。今思っても空恐ろしい。
今回は仇をとって、食べまくろう!!

たくさん食べて元気いっぱいでレースに出てやろうと誓う。
なので今回のレポートには食べ物の話が多いけど悪しからず。

夕方「はぁ〜〜い!!」とすごくテンションの高い声が隣りの部屋から聞こえてきたので行ってみると私と同年代と思われるおしゃれでとっても素敵な女性が名古屋便で到着していた。
自己紹介をしあって彼女は今は54歳だけど12月の誕生日がくると55歳なので私と同じカテゴリーの人だということがわかった。
名前は由美ちゃん。
明るくとってもかわいい人で、すぐに友達になれた。


7月9日(金)
スイム試泳
7時からスイム試泳なのでマリリンと二人でビーチへ行くと結構波が高くサーフィンもやれそうだ。
彼女はスイムが得意じゃないと言って400メートルくらい泳いで終了。
私も500メートルくらいで終了。
トンコちゃんは絵美さんと一緒に1周の2キロです。

カーボパーティ
韓国コンドから1・5キロくらいのところにあるコンベンションセンターでカーボパーティー。
マリリンと二人で赤浜さん一家4人と一緒に座る。
6時からの予定が韓国時間というのがあるらしく開始が大幅に遅れた上に
英語と日本語の通訳があるので時間がかかり、みんなお腹がぺこぺこになる。
やっと食事の時間になり部屋の外のホールに並べられた数々のお料理をどんどん取ってきてしっかり食べる。
どれもおいしい!!
抽選会もあったが知っている人は誰も当たらなかった。
司会者の日本語がかなり怪しくてゴーグルのことを
「かすかに見える水メガネです」って言っていたのが可笑しかった。
帰りに会場の出口で、その水メガネが売られていて手にとって見ると
水色できらきらしていてとてもかわいい。
迷うことなくマリリンと二人で買ってしまった。
イタリーのスイムゴーグルだからおしゃれでだしピッタリフイットして視野も広くとてもいいと喜んで試泳してみると顔が小さくて左右の目の間が狭い私には、やっぱり合わない。
悲しいことにいつものジュニア用ゴーグルじゃないと駄目なようだ。


7月10日(土)

コース下見ツアー
定員50名で1人2000円のバイクコース下見ツアーに行く。
以前ふうさんが出た時にも行ってるけど、その時はほとんど寝ていて覚えていない。
今度は自分が出るので真剣に見ていた。
イビョンホンが出ているテレビドラマ「アイリス」の撮影をしたところだというホテルの前も通る。
激坂も通ったけど実際にバイクで走ってみないと感じがわからない。
まぁ、何とかなるでしょう。

競技説明会
英語・韓国語・日本語と3回にわけて行われた。
日本語が最後で4時から始まり、
韓国の選手は参加費が15万ウオンで、もしスロットが取れて
ハワイに行くとなったら35万ウオン払えばいいということがわかり日本選手から不満の声が出ていた。
まあ開催国の特権ということで仕方ないでしょう。
レースをさせてもらうだけで幸せと思わなければ。

自転車、トランジッション用品の預託

ランバック、バイクバックにそれぞれ必要なものを入れて
肩から背負ってバイクに乗り会場へ向かう。
今にも雨が降り出しそうな空を恨めしく眺めコンドの売店で1000ウオンで買ったカッパをバイクに着せて預ける。帰りは近道で階段を上がって少し歩くと、すぐに韓国コンドだ。
ぼろっこいけれど、ビーチに近くてとても便利。
前回行った時はしょぼい売店だけだったが、今回はコンビニもできていて冷凍食品や冷蔵食品、アイスキャンディ、フルーツ、かわいいお菓子、いろんなドリンクも売っていてうれしい。
豆乳や朝鮮人参入りのドリンクはおいしくて元気もでる。
ただバスタオル交換にも来てくれないしトイレットロールの補充もしてくれないのがちょっと困りもの。
フロントに行って言うと出してくれるがフロントマンの1人で年配の人はルームナンバーを毎回間違えて隣りの部屋のキーを渡すしトイレットペーパーも何と勘違いしたのか、にやっと笑って無いというそぶりをして出してくれなかった。
もう1人の若いフロントマンはてきぱき対応してくれた。

Eマートから買ってきたもので食べていると、どうしても蛋白質が不足してきて、おいしいものが食べたくなった。
レース前日の夕食は豪勢にいきたいね〜とマリリンと話し、ちょっと高いけど外食にしようということになり雨の中を出かけた。
マリリンはユッケビビンバ、私は石焼ビビンバとチゲ定食、海鮮ちぢみを二人で食べようということで4品注文する。
注文をとりに来たおばさんが4品で間違いないのかと聞く。
それでOKというと「アイアンマンか?」と聞く。
「そうです」って言ったら納得したようだけど、それにしてもという顔をしていた。

マリリンは私よりももっと華奢で、ちっちゃくてかわいい女性なので見た目鉄人には見えない。
隣りのテーブルの日本人男性は4人とも石焼ビビンバ一品だけ食べていて、私達を見て「よく食べるな〜!!参ったな」と感心していた。

夜、ふうさんから電話がくる。明日は雨で風速12メートルの最悪の天気らしい。
まぁ、そうならそうで最悪の天気を楽しんでやろうじゃないのって、そんな気になり、たっぷり食べてお腹が幸せな3人は9時にはクカーっと熟睡・・・
B型2人とO型1人のお互いに気を遣わない3人の部屋は、とても居心地がよかった。

7月11日(日)
レース当日
土砂降りの雨音で目を覚ます。
3時半に起きて朝食の準備をし3人で食べる。

マリリンとトンコちゃんはバイクボトルにスペシャルドリンクをせっせと作っている。
パワージエル10個、ミネラル塩、水などいろいろなものを入れている。
私はいつも大会のスポーツドリンクをもらうだけで作ったことがなかった・・・
二人に「え〜〜?スペシャル作らないの?」って驚かれてしまった。

ベントボックスにも私はクルミ餅とガゴメ昆布餅とチーズオカキを入れたけど二人はクリフという初めて見るパワーバーのようなものを5個入れていた。
輸入物でネットで買うそうです。
やっぱり東京在住の強い人たちは違う。

韓国コンドミニアムの裏庭の坂を徒歩で降りて行くと5分で会場に着く。
雨足は少し弱くなったけど、風はびゅうびゅう吹いている。
チャイナでアベレージ9mの風を経験したけど、それよりはるかに強い。
後でわかったけど、アベレージ12mだったそう。

ウェットスーツを着込んでビーチに降りて行ってみる。
海は沖までうさぎさんが踊っているように白い波がたくさん。
ビーチはサーフィン中上級者用の波が逆巻いてブレークしている。
ウォームアップの試泳は誰もしていない。
スイムの得意な人も尻込みしているようだ。

6時にスイム中止かどうかの発表があると説明を受けていたが、なかなか発表にならない。
6時45分にやっと「中止」の発表があった。

スイムが得意で泳ぎたかった人なのか、憂さを晴らすように、波に向かって飛びこむ人が数人いたが、波に打ち上げられ、砂浜にたたきつけられて痛そうにしていた。
波が高く、すぐに浜に戻れないで苦労している人もいた。
悪天候で、へこんでいたが、苦手なスイムがなくなったのはラッキー。
知人たちが次々やってきて「スイムが中止になって残念だね!!」とか「いや〜よかったね!!」「中止と聞いて真っ先にマッキーの顔が浮かんだよ」とかニコニコしながら声を掛けてくれる。

スイムが苦手なマッキーで有名になってるようだ。
2008年、スイムに2時間31分もかかってタイムオーバーしているので、今回はぜひとも時間内に泳いでリベンジしたいという思いもあったので、ちょっと残念でもあった。

午前8時より、3秒間隔でバイクスタート。
プロに続いてリレーの選手が次々スタートしていく。
そしてナンバーカードの数字の大きい方から順次スタート。

オレンジ色のバイクウエアー・黄色いシーポのかっこいいバイクの由美ちゃんは私より6秒先だ。
まもなく追いつき由美ちゃんを抜く。ところがすぐに抜かれてしまった。
う〜〜ん・・なかなか手ごわいかも・・・と思いながら、また抜いてみる。
ちょっとがんばって離したかなと思っていたら、またもや抜かれる。
そして、どんどんオレンジ色のウエアーは遠く見えなくなっていった・・・

幹線道路と、漁村の海岸道路を軽やかに行くが後からスタートした
速い選手たちがどんどん抜いていく。スタートが早かったのでしょうがない。
再び幹線道路に入り、まもなく反転して、山道に入る。
風がもろに向かい風。
横向きに風が変わるときは、ぐぐっとバイクが揺さぶられる。
ヨットのように風上に自転車を倒しこんでバランスをとる。

標高があがるにつれ、雨が強くなり、濃霧で視界が無くなった。
中間地点にはスペシャルエイドを置いてある。
大勢の人が弁当をひろげてくつろいでいる。
「お〜〜ひと休みだぁ!!」とバイクから降りて預けていたみかんを次々二つ頬張る。
「おんまぁ〜なんたかんら・・・」という声も聞こえ、食べながら周りを見渡すと、何と韓国の人たちばかりだ。

この人たちは、ローカルレースとして楽しみで参加した人たち。
IronmanQualifyを競っている日本人らしき選手は一人もいない。
「やば〜〜っ!!」のんびり休んでいる場合ではなかったと、気を取り直しバイクにまたがる。うわさの激坂に来た。

アベレージ10%の長い坂で、坂の最後は100mくらい15%となってそびえている。
初めはコンパクトクランクをくるくると回して淡々と坂を登っていたが、だんだん苦しくなってきて心臓が悲鳴をあげている・・やっぱり激坂だ!!

こんな坂はまだ経験していない・・・よろよろ登っていると一瞬の間軽くなって速くなる。「ファイティン!!ファイティン!!」と言いながらバイクを後ろから押して走ってくれている人がいる。「こまおよぉ〜」っと感謝。
やがて15%の坂はおわったらしく楽になった。
頂点を過ぎるとアップダウンの繰り返しになるらしいが濃霧で視界が全く無い。
ハルラ山中腹の雨雲の中。

下りは恐怖でブレーキをかける。
ブレーキレバーを握る手がこわばりだるくなっていく。
下っているのか、登っているのか全くわからない。
ペダルが重いので登っているのかな?

軽くて手ごたえがなくなったのでくだっているのかな?という感じだ。
視界が良ければノーブレーキで下り、勢いで登れる所もあるかもしれないが全く先が見えなくて怖い。

風もますます強く、雨足も強く頬を叩くのが痛い。
風は山岳セクションでは完全に逆風。
スポークが唸りを上げ、DHバーが笛を吹く。
山から下りると、風向きが順風に変わる。
ホッとしたらお腹も空いてきたのでクルミ餅やチーズオカキをごそごそ出してぽりぽり食べながら少しのんびり行く。

速い人たちはみんな行ってしまったので、もう抜かれることもない。
やがてゴージャスな高速道路になり気分よく飛ばす。
サッカースタジアムが近づき、ランコースと重なる。
ランに入っていい走りをしている女性が「がんばって!!」と声を掛けてくれる。
名前はわからないが、かなり速そうな人だ。
ここはかっこよくDHポジションをとり、軽やかにペダルを回す。
あっと言う間にサッカースタジアムのゴールが見えてきた。

途中怖かったけどけっこう楽しい180キロだったなぁと思いつつバイクゴールする。
とうとう由美ちゃんには追いつけないまま終わってしまった。
着替えをしようとテントに入ると、なんと希志子さんが着替え終わってランに出るところだった。
すごく速い人だと思っていたので意外だった。
私がランで出る頃に明子さんがテントに入ってきた。
明子さんはおばさんの私が思っていたより速かったのか驚いているようだった。

ランに入る。
先行する由美ちゃんとは12分くらいの差。
得意のランで逆転を。
と思いきや、右膝外側から後ろにかけて強張るように痛くて走れない。
だましだまし早歩きを交えたランになる。

全身的には元気一杯。
筋肉も余力十分なのにじれったい。
雨風で筋肉が冷えてこちこちに強張ったのが原因と思われた。
暑さには強いが冷えにはめっぽう弱い。
3ラップするので何度も由美ちゃんと顔をあわせる。
会うたびに徐々に差が開いているようだ。
エイドステーションにはコーラとゲータレイド、水、羊羹、飴、バナナがおいてある。
西オーストラリアではオレンジや塩辛いものが挟まったサンドイッチがおいしかったしチャイナではリンゴとスープがおいしかったなぁと思いつつ、並んでいるものを眺めて飴をとる。
ちょっぴり街並みから外れたところに車で来て韓国人の仲間を応援をしているグループがいた。
スイカを切って並べて仲間が来ると大声援で手渡している。
「おいしそう!!」と横目で見ながらゆっくり通り過ぎる。

4回目にその場所にきたとき、どうしても食べたくなって傍に行き、ずーずーしくもスイカを指差してみた。
そしたら何と一番大きいのを選んで「ファイティン!!」と手渡してくれた。

もううれしくて「こまおよぉ、カムサムニダ」と何度もお礼を言って夢中で食べた。
夢のようにおいしかったぁ!!感謝感謝です。
スペシャルエイドにはみかんを預けていたので5回目でもらって食べたが果物はやっぱり元気がでる。だんだん薄暗くなって暗くなり始めたころにいよいよ最後のEマートの前から花道に入るまでが大声援でうれしくなるが花道には誰もいなくて物足りないゴールだ。

何位かわからないけど1位ではないのでハワイには行けないと思うと、よけいに寂しいゴールだった。
体調が良く気力も充実して今度こそはと思ったが、またもや不本意なレースであった。

チャイナでは体調不良でも神がかりで完走できたけど今度はそうそう旨くはいかないよって幸運の女神さまにそっぽを向かれたような気がした。
30分前にゴールしていた由美ちゃんがバイク受取場にいるのを見つけて、「おめでとうハワイにいけるね!!」と声を掛ける。
彼女は「あれ?タマちゃんに言ってなかったっけ?私ハワイには行かないよ。

「タマちゃんが2位ならハワイに行けるよ。」と言ってくれる。
(すでにお友達になって、由美ちゃん、タマちゃんと呼び合うようになっていた。)
でも、果たして2位なのだろうか?
30分も差があるので由美ちゃんと私の間に誰かゴールしていないかな?

彼女以外は全くチェックしていないので明日にならないとわからない。
二人で温かいコーンスープを飲んでスイカをばくばく食べながら話すと、彼女は佐渡のAタイプで年代別優勝しているそうな。
チャンピョンシップに出ている師匠もいてバイクトレーニングもがんがんやっているらしい。
まだ若いし強いはずです。

少しのんびりしてからバスに乗って韓国コンドに帰った。
マリリンはとっくに入浴も済ませ、のんびりくつろいでいる。
トンコちゃんもマリリンと同じくらいにゴールして部屋に一度戻ったけど10キロも離れているゴールに遅いゴールの人たちを出迎えるために、また行ったという。
偉いなぁと感心した。

携帯電話をチエックするとふうさんと、けこちゃんからの着信履歴がある。
ふうさんからは18時半ころなので、何でそんな時間に?そんなに早くゴールなんて出来るはずないのにと不思議に思う。
着信はできてもこちらから掛けてもつながらないので明日の電話を待つことにしてベットにはいる。

あとでわかったことだが、もし私がリタイアしていたら早い時間でも電話に出ると思うので、ふうさんは「この電話にタマは出ませんように!!」と祈りながらコール音を聞いていたそうで、15回鳴っても出なかったのでホッとしたらしい。

7月12日月曜日

朝目を覚ます。
国際コンベンションセンターでの成績発表と掲示は10時なのでまだ時間がある。
ふうさんはネットをみて、もうわかっているだろう。
早く知りたいと電話を心待ちにするが、なかなかかかってこない。

同室のマリリンとトンコちゃんもあんなに電話を掛けてきていたのに来ないから不思議そうにしている。
きっと3位とかでがっかりしてるのかもしれないと思い、もやもやしているとやっと電話が来て2位であることがわかった。
ロールダウンになるのがわかっているので「やったハワイにいける!!」とうれしくなる。
やっぱり幸運の女神様が微笑んでくれた!!

しかし、帰りの夕方発の直行便はイビョンホンのコンサートがあったとかで、日本の韓流ファンのおばさま方で満席。
最後までキャンセル待ちを入れてもらっていたけど取れなかった。
なので13時半のソウル経由便で帰ることになっている。
表彰式とアワードパーティは初めから諦めていたが、11時15分からのロールダウンの発表だけはどうしても出たい。

11時40分には韓国コンドから空港行きのバスに乗らねばならず間に合うかなと心細くなる。
ロールダウンの手続きはぎりぎりなのでもし間に合わなかったら延泊すれば良いとふうさんが言ってくれる。
ロールダウン会場は押すな押すなで人が一杯。
西オーストラリアで一緒だった滝さんも来ていたので、ロールダウンでハワイに行けることを話すと、「よかったね!!スイムがなかったもんやでね。」とにこっり笑う。

西オーストラリアで私が制限時間1分前にスイムアップしたことを知っているから。
滝さんは今年70歳だけど10回以上もアイアンマン・ハワイに出ていて今回もダントツ一位だ。
2007年のチエジュで初めて会って西オーストラリアでも一緒になった鈴木さんも来ていて祝福してくれた。

鈴木さんは、ふうさんのライバルです。
マリリンは日本人2位、韓国人が2位と3位に入っていて4位だ。
スロットが2つなので韓国の人が2人パスすればロールダウンで行ける位置にいる。
トンコちゃんも4位だがスロットは1つしかない。
楽しみで来た人は少なく、IronmanQualify(ハワイスロットゲット)を狙って勝負に来た人がほとんど。

一週間前に落車してバイクが壊れ新しいバイクを買って来たという人もいた。

赤浜さんは2位と30分も差をつけて堂々の優勝、ハワイの切符を手にして手続きも済ませていた。
奥さんの絵里香ちゃんから手続きには550ドルの現金が必要なことを聞き、カードと日本円とわずかなウオンしか持っていなかった私は驚いて心臓がどきどきしてきた。
あわてて550ドル持っている人を探すも自分が使うかもしれないので、みんな黙っている。

手持ちの550ドルが無ければ容赦なくすぐに3位の人にロールダウンが進むという。
冷や汗ものだったが絵里香ちゃんが、てきぱきとロールダウンをあきらめた人を探してドルを調達してきてくれた。
かなりどきどきしたけれど絵里香ちゃんに助けられた。

予想通り、ロールダウンは50スロットのうち4つしかなく、マリリンは残念ながら呼ばれなかった。
男性2人と女性は私を入れてもう一人が呼ばれ、もらった用紙にサインをして550米ドルを支払いパスワードの入った手続き用紙をもらって無事手続き終了。
由美ちゃんがバスに間に合うかどうか心配してくれて手続きにも同室してくれた。
空港行きの帰りのバスにも間に合い、何とか延泊しないで帰路に着くことが出来た。

バスは行きに一緒だった明子さんとまたしても一緒でうれしくなる。
お土産店に寄る時間もなくそのまま空港に直行。

先に届いていいるバイクケースとトランクを受け取ろうと思ったらトランクがない・・直行便の方に置いてしまったらしい。
最後にやらかしてしまったやっぱりドジな私です。
直行便と乗り換え便は成田到着時間がほぼ同じということでガイドの金さんが直行便で帰るグッディの須谷さんに託けてくれてホッとした。

お昼を食べないで仁川空港まできたので、もうお腹がぺこぺこ空港内のおしゃれなレストランで二人でそれぞれ2万ウオンの定食と4万ウオンのチャプチュエをゆっくり食べた。
荷物になるのであんまり買えないけど残りの時間でお土産売り場を覗いていたらあっと言う間に3時間が経ってしまった。
飛行機に乗り機内食を食べ映画を一本みるうちに成田に到着。

到着すると急いで入国審査を済ませ荷物受け取りのところへ行くと直行便は少し前に到着していて無事に須谷さんからトランクケースを受け取る。
最後に迷惑をかけたけど無事日本に帰ってくることができた。


おわりに
今回初めての海外一人遠征だったが、日本人仲間がたくさんいて、そんなに心細くなかった。

プロの人たちにも食事に誘われ、お友達になれたし、マリリンやトンコちゃん、同年代の由美ちゃんともお友達になれた。
いろんな人と知り合えて、とても楽しい遠征だった。

出発の時にダンボール箱をたくさん持って挙動不審だった人が幻の10回大会記念グッズとして、韓国コンドにて出店、販売していた。
きくと、業者の方も今回のジャパンの中止でたいへんなことになったそうで、在庫の山を抱えあわや倒産の憂き目に会うことも覚悟するほどだったという。
思いもかけず、チェジュの現地でたくさん売れて助かったと話していた。

私も何点か買い感謝してもらった。日本製だけあってとてもおしゃれでセンスが良い。
今回火事場どろぼうみたいに急遽出場を決めたのが少々後ろめたかった。
人の不幸を自分の幸運にするなんてと思って、ちょっぴりごめんなさいという気持ちもあった。
だけど、なにも悪いことはしていない。
むしろいいことをしたのだと救われる思いがした。

思いがけないチャンスに背中を押してくれたふうさんのおかげでハワイの世界選手権参加資格が取れた。
西オーストラリアで初めてのアイアンマンを完走してから7ヶ月でアイアンマン・ハワイに出られるなんて夢のようで、なんだか信じられない。
体育が2で運動大嫌いで泳げなかった私が世界選手権に出る?う〜〜〜ん・・嘘みたいだ。

2007年70・3アイアンマン・ハワイに誘ってくれた冨田さん、そしていつもあたたかくサポートしてくれるふうさんのおかげと、こころから感謝している。
昨年12月の西オーストラリアは気合が入らず今年3月チャイナでは吐いて食べられなくなり、今回のチェジュでは、雨風に冷えて筋肉が強張り、いずれもまだ会心のレースがやり切れていないのが心残りだ。
ぜひ10月の満月に一番近い土曜日には、会心のレースが出来るよう心身共に入念に調整したいと思っている。




データ
開催日
2010.7.11 
 場所
韓国 済州島(チェジュ) 西帰浦(ソギポ) 中文 リゾート
 天候
27度 90% 風速12m 西南西 雨
MSN天気予報より

参加 904名
出走 835名
完走 797名
完走率 95%
http://www.koreatriathlonjeju.com/eng/info/notice/read.jsp?tableName=noticeeng&reqPageNo=1&rowCount=190&rowNum=1&no=206&url=/eng/info/notice/index.jsp
 2010/7/12 Result Allより


参加国 888名中
 韓国     641
 日本     229
 USA       8
オーストラリア 3
 カナダ     1
 ドイツ     1
 フィリッピン  1
 スイス     1
 英国      1
http://www.koreatriathlonjeju.com/eng/info/notice/read.jsp?tableName=noticeeng&reqPageNo=2&rowCount=190&rowNum=12&no=195&url=/eng/info/notice/index.jsp
2010/7/4 発表のcompetitor's Listより

成績
mieko makimoto 57
bike tr run total
7:14:40 4:32 5:09:48 12:29:00
カテゴリW55-59 2/5
総合      506/797
http://www.koreatriathlonjeju.com/eng/info/notice/read.jsp?tableName=noticeeng&reqPageNo=1&rowCount=190&rowNum=0&no=207&url=/eng/info/notice/index.jsp
2010/7/12 Category Resultより
1位辞退によるロールダウンでハワイスロットゲットできました。



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