2016 宮古島トライアスロン備忘録
2016.4.17
~By Takaaki Yamazaki~


【はじめに】

今回で5回目の挑戦になりました。回数を重ねる毎に、慣れもあるのか緊張感、そしてワクワク感が薄れてきてしまっているのも事実かもしれません。
そろそろ一休みしようかなあとも思うようになってきていました。そのためか、特に宮古島のための練習はしていません。
健康維持のために毎朝出勤前に三本ローラーもしくはトレッドミルを行うのみで、土日も平日と同じような感じで、仕事、家庭に影響がでないように負荷もほどほどに、時間もかけないように、早朝練習のみを継続しました。あまり一生懸命練習していないので幸いに、練習がつらいこともなく、怪我も一切ありませんでした。

一番いかれた練習は、出張続きで、天気も荒れて、ホテルの部屋の中で一時間テレビを見ながら、ひたすら足踏みランをしたことでしょうか。

日々の生活に忙殺されながらも、特に頑張ることもなく健康のために練習だけは継続していたので、とりあえず完走はできそうかなといった感じで宮古島入りしました。



【レース前】

南の島の天気は変わりやすく、天気予報はほとんど当たらないので、あまり気にしないでいましたが、4月15日の宮古島入りした日は肌寒くさすがにちょっと不安になりました。

この日は昼頃について、バイクの組み立てを行い、ワイドーパーティに向かいます。エキスポでレースに使うonのシューズやスポーツ羊羹と、マグオンのジェルを少し買って補給食としました。

そして恒例の“道産子会”に稲岡先生と一緒に参加し北海道からの参加者との交流を楽しみ一日目は終了になりました。
                                          いつもハゲしく競う羅臼の横前さんと一緒に

レースの前日は、いい天気でした。そういえば昨年も前日はいい天気で翌日に嵐。今回もそんな感じでしたが、せっかく宮古島に来たので、試泳だけでもと思って、きれいな海で泳ぎました。なんとも気持ちのいい海でした。

午後からは、妻がレンタカーで観光したいとのことで、伊良部大橋を渡って、伊良部島を回り、下地島というところまで行って来ました。

伊良部大橋というのは、コースではとてつもない鬼門で、風も強いし、アップダウンもあり昨年も風で冷や汗をかいた思い出のある場所です。
さらに噂ではその橋のつなぎ目の部分が滑りやすいとのことだったので確認もしました。
宮古島はレース前日に余裕があるので、この一日が一番楽しいひと時です。そんな一日もあっという間に終わり夜8時過ぎには布団に入りました。


【レース当日】

いよいよレースです。
4月17日朝は4時30分に起きて、ホテルでサンドイッチを作ってもらってスタート地点である東急リゾートに向かいました。
前日まで嵐になるという噂もあったのですが予想外に意外と落ち着いた天気で今年はスイムできそうだなといった感じでした。
スイム練習はあまりしていなかったので一時間ぐらいでゆっくり泳ぎきれればいいかなといった感じで臨みました。


【スイム】

レスリングの吉田選手の合図で一斉スタートです。

さすがにバトルはすごいですが、あまり一生懸命に泳ごうとはしないでいると意外と気にならないものです。
ガツガツ泳いでいる人が来たら道を譲って安全第一で巡行しました。

バタ足をほとんどしていないので足をつかまれることが多かったように思えます。
触れたり当たったりするぐらいならいいですが、やはりいかなる理由でもつかんで上に乗るのはいけないと思いました。
あまりにもひどい方もいたのでその場合は、バタ足をして振り切りました。足は推進力のためというよりは足をつかまれないようにするための防御手段になるなあと思いながら、時々魚も見えて、のんびりマイペースで泳ぎました。

スイムアップはほとんど予定通りでした。
少しシャワーを浴びてトランジットに向かいました。そうしたらスコールのような大雨になり風も強くなってきました。

【バイク】


今日は安全運転で行こうと、心に決めて、あまり焦らないでゆっくり走行しました。
スコールの中、鬼門の伊良部大橋も無事渡り切り、さらに直角カーブのある伊良部島内も走り切り、雨も上がって来ました。
あとは伊良部大橋を渡って宮古島に戻れば鬼門もクリアです。


安全運転を心がけて車間距離もとって、橋の上まで登って行って、橋のつなぎ目に差し掛かりました。
ここは注意だなと思いながらつなぎ目を越そうとした時です。

一瞬ですが、自転車がすべって真横になりました。まさかと思いました。転ぶわけないよな、意外と何とか持ち直すかなとか思いました・・・ダメでした。
濡れた路面でウオータースライダーのように、すごい勢いで滑っていきました。
これってやばいと思いましたが、どうすることもできずそのまま空を見ながら滑り続けて止まりました。

幸いに路肩付近で止まり、前後のバイクとも車間がとってあったので、単独事故で済みました。
ほんとうにほかの選手を巻き込まなくてよかったです。

今まで練習でも、レースでも一度も落車はしたことがありませんでした。初体験です。

恐る恐る状況を見てみると、アームカバーや手袋がボロボロになっていて、ウエアも大腿部に穴が開いていました。
少し流血していましたが、意外と動けそうでした。
足首も少し痛かったですが動けそうでした。

自転車はチェーンが外れたりしていたのでそれを直してみました。
できるだけ修理してメカニックのところまでなんとか行こうかなとか思ったのですが、これまた意外と動きました。


気持ちは折れていたので、棄権しようかなと思いました。
大腿部から臀部が痛かったので、ウエアのお尻に穴が開いていたら棄権しようと思いました。

ボランティアの人が声をかけてくれたので、“大丈夫です、お尻に穴はないですか”と聞いてみました。
そうしたら半分笑いながら“お尻に穴は開いていませんよ”と言ってくれたので、棄権する理由もなくなり続行を決めました。
補給食もすっ飛んでしまいました。

“なんでこんなことしているのだろう”、“もうやめよう”挙句の果てには “お尻に穴があいていればよかった”などなんともネガティブな思考になりながら、リタイヤする理由もなくなりとりあえず軽症で済んだことに感謝しつつ、持ち直しました。

補給食もすっ飛んでしまったので、エイドでバナナをもらいながら進みました。
雨も上がり、晴れ間も時折みえるようになってきましたが、あまり楽しめない状況で、早くバイクから降りたい一心でゴールを目指しました。


【ラン】

何とかランにたどり着いたのでほっとしました。

これで大けがはしないで家には帰れるかなと。
バイクをあまり頑張らなかったので当初はキロ5分30前後で走ることができました。
しかしオーバーペースだなあと思いセーブしているうちに、自然と遅くなってきました。

 まだ走れた頃

折り返しまでは何とかたどりつき、このペースで行けるかなと思ったのですが。練習では20k以上走っていなかったこともあってか、急に25kを過ぎたところから脚が動かなくなりました。

もう記録なんかどうでもよくなりました。そして今回が9回目のロングになりますが初めてランの途中に心が折れて歩きました。


一度歩くと、もう駄目ですね。
何度も歩いては走っての繰り返しとなり、歩いた後に走り出すのがとてもつらいことが分かりました。


毎回エイドでは冷却とレモン、オレンジ、コーラをもらい何とかつなぎました。
そんなとき御年64歳のハコトラ富田さんとすれ違い、元気にハイタッチしてくれました。
すごい人だ、無事ゴールしてくれればいいなあと願いつつ、ちょっと元気もらいました。


くよくよして歩いていると、抜いていく選手も声をかけてくれたり、“ゴールしたらおいしいビール飲めるね”とか励ましてもらいながらラスト5kまで来ました。

しかしここからも長い。走れない。やっぱりトライアスロンはある程度しっかり練習しないとレースはつらいだけになってしまい、集中力もなくなっていやになってしまう。


もうやめよう。


今日ゴールしたらしばらくトライアスロンはやめよう。



歩いても制限時間には入れるから完走はできる。でも次はないと思いながら歩みを進めていきました。
どんどん抜かれていきます。

全然気になりません。


なんとか競技場にたどり着きました。


やっと終わる・・・。


以前に同じ職場にいた仲間が一緒にトラックをゆっくり走ってくれて、ゴール近くで妻も合流してなんとか無事ゴールテープを切ることができました。


完全に出し切りました。今のベストと思います。

記録はワーストでしたが、最も記憶に残るレースでした。


一緒に苦しんだチームちんすこうメンバーと一緒に

競技場でビールを飲む余裕もなく、ゴールしてから寒くなりすぐにホテルに帰りました。

帰り際、妻に“もうやめようかと思う”とぼやきました。


落車もしたし。


そうしたら“まあよくやったじゃない。これだけの怪我で済んでほんとよかった。


来年も出られるように頑張りな!”と言われました。


“そうしないと私も宮古島行けないからね”とのこと。


~おしまい~


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